2015年12月21日
(1)20代ではその差は“微差”だが……
若い頃は、私もさまざまな経験を積むことで、社会性・生活習慣が豊かになると考えていました。
しかし、経営者としてたくさんの人を雇用する機会に恵まれて、いろいろな人の人生を垣間見る機会を通じて、
多くの視点で社会性・生活習慣の豊かさを検証する機会を得ました。
豊かなスタッフと乏しいスタッフも、同じ24時間を生きています。
さまざまな経験をしても、その経験に何の感謝も感情も湧かずムダにしてしまう人と、
さまざまな経験を通じて感謝の気持ちを忘れずに何かを得る人がいます。
両者の20代は、若さという財産があります。
比較的元気なので“行動力”で豊かさを感じる人もいます。
慎重であまり冒険をしない人が地味に見えて、いろいろなことにどんどん挑戦する人のほうが豊かに見えることもあり、
表面上にはそれほど大きな差はありません。
しかし、20代で感じていた微差が、実は30代になると、その差がはっきりしたものとなります。
慎重であまり冒険をしないように見えた人が、小さい冒険を積み重ね、とても豊かな人脈と行動範囲を手に入れていることもあります。
一方で、行動力があると思っていたはずの人が、30代になってもまだ過去の栄光のようなものにすがっていて、時代が止まっている人もいます。
(2)30代から40代には“見える差”が出る
40代になると、“見える差”が出ます。
“見える差”としては、社会性・生活習慣が豊かな人は、共通して「どんなことにも、人にも感謝の気持ちを持っている」ということです。
社会性・生活習慣が豊かでない人は「どんなことにも、人にも感謝の気持ちがない」ということが、一緒にいるだけでわかるようになります。
そして、それは40代になると大差になります。
社会性・生活習慣が豊かになる人も、最初から上質な経験や体験をしているわけではありません。
失敗や苦労の中からも、ていねいにその経験を財産として積み重ねて改善していきます。
豊かな人に、他力本願の素地を見ることはほとんどありません。
また、他人を常に尊重し威張りません。
自分が先輩になり、上の立場になった途端に、おごり高ぶる人がいます。
他人のプライベートが気になるなど、人には根掘り葉掘り聞くのに、自分が聞かれると秘密主義のように心を閉ざしています。
これでは豊かな人間関係が構築できません。
(3)豊かさは自分の心の持ちようにある
豊かさには、自分のためにお金を存分に使うという消費の豊かさもありますが、誰かのために大切な時間を使うという、積み重ねる豊かさもあります。
「お金があるから、ないから」
「友達がいるから、いないから」
「遊ぶ暇があるから、ないから」
など、何かのせいにするのは簡単ですが、与えられた時間の中で、自分の過ごし方をどう調理するかは、自分次第です。
社会性・生活習慣の豊かさは「自分の心の持ちようにある」ということを忘れないようにしてください。
歯科医院スタッフとして豊かな心を養うためには、新人の時から、
[1]家を出るときから仕事がスタートすること
[2]仕事とプライベートはつながっていること
[3]積極的にコミュニケーションを取ろうとする姿勢を持つこと
[4]「おもてなし」の前に「思いやり」の心を育てること
[5]頼まれた仕事を果たすことが最優先と考えること
[6]「連携がないもの」「締切りがないもの」は仕事ではなく趣味でしかないこと
[7]小さい信用を積み重ねること
の7箇条を常に意識しておくようにすることです。
(拙著『人材から人財に育て上げる36の秘訣』より)
(有)エイチ・エムズコレクション 代表取締役
歯科衛生士
濱田 真理子
⇒ http://www.m-dental.com/