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できるスタッフ、できないスタッフ ここが違う【4】院内・チームでの調整力のあるスタッフとないスタッフの特徴

2015年11月16日

(1) 調整力のある人とない人は口癖でわかる

歯科医院に人間が2人以上いれば、人間関係が存在しますし、組織・チームとしての言動が必要となります。

学校とは異なり、社会での人間関係は、自分の好きや嫌いでは人を選べません。

そこには、人間関係をスムーズにし、組織やチームとしての機能を発揮するために調整力が求められます。

調整力のある人とない人は口癖でよくわかります。

調整力のないスタッフは、職場での仕事を“個人”という枠でとらえているので、
何かの報告や仕事の成果を「私がやった」といいます。

調整力のあるスタッフは、職場での仕事を“チーム”というとらえ方をしているので、
何かの報告や仕事の成果を「私たちがやった」といいます。

歯科医院の中での自分を、どんな枠組みでとらえるかで、仕事のやり方や日々の仲間との付き合い方に、大きな差が特徴となって出てしまいます。

調整力がない人の良いときは、個でもチームでもさほど問題は発生してきませんが、
何かあったときや仕事では“個人”の意識が働き、何でも良い情報や結果は、自分のこととしてだけで考えます。

悪いときやトラブルが生じたときには“みんな”と考える傾向があります。

(2) チーフの役割は調整力にある

歯科医院でとくに調整力が必要とされるのは、主任やチーフです。

そのため、主任やチーフの役割は――
「患者さんに選ばれ続ける医療機関をつくるお手伝いをすること」です。
「患者さんに愛されるスタッフ(仲間を育成し、やる気を起こさせ、支援する)をつくること」です。

つまり、なんでも自分でやったり、自分自身が栄光をひとり占めすることでも、スターになることではありません。

調整力のない人は、ラクで楽しい仕事を優先的にすることではないことに気がついていません。

難しい仕事や責任ある仕事を、自分で独占することでもありません。

そして、「自分が一番働いている」と思っていたら、チーフ自ら「医療チーム」の基盤を壊している人になります。

調整力のないスタッフは、いろいろな仕事の中でも目立ちたがり屋で、とにかく患者さんから人気になることが嬉しいので、
患者さんから絶賛される状況をひとり占めしようとします。

残念なことに、その過程の中で、自分が部下や仲間から支持される、というチャンスを失っています。

当然、調整力どころか、その人の指示命令に対して反発も生まれてしまいます。

(3) 調整力とは人がまとまる影響力!

調整力で必要なことは「人をまとめる権限」ではなく「人がまとまる影響力」です。

そこには、太陽のような温かさが求められます。

イソップ寓話のひとつに『北風と太陽』というお話があります。

皆さんもよくご存知と思いますが、簡単に紹介しましょう。

北風と太陽は、寒いある日、1人の男性が着用しているコートを、その男性が自分で脱いだら(脱がせたほうが)勝ちという勝負をします。

北風は寒く冷たい風を男性に当てます。

男性は震えてコートをしっかり押さえて脱ぐことはありません。

太陽は温かく熱い光を男性に当てます。

男性は熱くてコートを自分から脱いでしまいました。

勝負は太陽の勝ちです!

調整力のある人の口癖は“わたしたち”です。

そして、「チーフとしての存在は太陽」なのです。

常に頭は冷静で、心が温かい人であってください。

といっても、「全員がフラット=いい医療チーム」ではありません。

歯科医院では、院長→チーフ→スタッフという、明確な指揮順位があります。

この指揮権や役割の存在を意識して、チームがまとまるようにもっていくことが大事なのです。

(有)エイチ・エムズコレクション 代表取締役 
歯科衛生士
濱田 真理子
http://www.m-dental.com/