2013年05月31日
ここ10年ほど、歯科医院から「トリートメントコーディネーターがいるので、スタッフに初診カウンセリング教育をしてほしい」という依頼が増えてきました。
そこで、
Q1:歯科医院でTCはどういう存在ですか?
Q2:初診カウンセリングは、どういう想いで取り組んでいますか?
と、導入するにあたり、いくつかの質問をさせていただくと・・・
A1:「特別どうと決めてはいない」
A2:「やったほうがいいかなと思って・・・」
という回答が珍しくありません。
でも、よくよく深掘りをしていくと、
「自費を増やしたい」
「せっかく提供できるおすすめの施術なので、患者さんにぜひ受けてほしい」
など、増患や増収につながるさまざまな想いも含まれているのがほとんどです。
歯科医院に患者さんが来院されるのは、むし歯・歯周病・歯が折れたなど、何らかの症状が出てからです。
この時の患者さんの一番の願いは「早く治してほしい」で、この気持ちに目をつぶってはいけないのです。
そのためには、スタッフを通じて、できるだけ早く
【患者さんとの信頼関係を築く】
【患者さんにこの歯科医院で治療に安心してもらう】
ことです。
患者さんの反抗的な態度や警戒した態度は、私たちとの信頼関係の不足の証しです。
そんな時にいろいろな提案をしても、果たして患者さんの気持ちに素直に響くでしょうか?
治療分野に限定すれば――
患者さんの信頼関係と来院回数に直接の関係はありません。
患者さんの情報収集のしやすさと来院回数は関係ありません。
〔ケース〕一生懸命治療したのに、治療後の患者さんの来院がほとんどない
これは、多くの歯科医院が陥っているケアエリアの溝です。
さまざまな施術を工夫し、患者さんを増やすことに力を入れていますが、どんなに新しい患者さんが増えても、治療エリアしか埋まらず、治療が終わり次第、患者さんは歯科医院を去っていきます。
いつまで経っても、キュアコーナーだけが満席となり、ケアゾーンはガラガラ――こんな患者さんのいない風景に鈍感になってはダメなのです。
そこでまた陥るのは、ケアゾーンで価格競争をしてしまうこと――TCやホワイトニングなどで、患者さんを集めたい一心から値下げを頻繁に行っていまいます。
その挙げ句、
「自費は高いから患者さんが選ばない」
「患者さんが施術を受けないのは、値段が高いから」
「患者さんが受けにこないのは値段の問題」
スタッフがこの考え方を持っているから、ケアゾーンの価値も品質も売上も低迷させているのです。
お試しは重要なプレゼントですが、安売りはダメです。
なぜなら、価格だけでつながった関係は、患者さんとの絆が深まることが少ないからです。
自分の歯科医院で提供しているケアゾーンでのサービスの価値を、医療スタッフが心から信じていますか?
そのケアの味を体験していますか?
治療の時間の延長上に予防が存在していますか?
「はい。これで終わりです。あとは歯科衛生士が次回にクリーニングしますね」と、ついでみたいなプロモーションをしていませんか?
初診カウンセリングの頑張るベクトルが、ほんのちょっと違う。
それだけかもしれませんが、ほんのちょっと違うだけでも伝わらないのが患者さんです。
今一度「治療と予防はきちんと提携されていますか」「架け橋が歯科医院の中でできていますか」と見直す、大切な時期かもしれませんね。
患者さんとの信頼関係はとれていますか?
治療来院中に信頼関係がとれなくて、いつとれますか?
有限会社エイチ・エムズコレクション
代表取締役社長
濱田真理子
http://www.m-dental.com/