2015年11月02日
(1)教え上手は相手を自立させる教え方をする
教え上手は、相手の能力を正しく把握してから教えようとします。
「どこまでわかる?」「どこまでできる?」
と聞きますが、本人の自己申告を鵜呑みにせずに、
・本人が本当にわかっているのか?
・本当にそこまでできるのか?
という状況も確認します。
本人が取っているメモも確認します。
指導しながら、理解している内容やできるようになっている状況をまめに確認していくのです。
できていない姿や結果を見つけたら、
・ていねいにどこがわからなかったのか?
・なぜそのような状況になっているのか?
を本人に検証させ、本来なら取るべき行動を再指導し良い方向へ導こうとします。
あいまいではなく、臨床で必要な知識はしっかり覚えさせ、
やってみせて、やらせてみせて、微調整で、良い方向へ導きます。
けっして手とり足とりという教え方ではなく、最終的には自立させる教え方を目標としています。
(2)教わり上手は学ぶ姿勢が違う
教わり上手は、教える側がもっと教えたくなると思うように、素直で明るい態度で教わります。
学ぶ姿勢というのは、教わっている指導者の目をしっかり見て、
教わっていることに集中しながら、相手の指導を復誦して、
正確にメモを取ります。
さらに、取ったメモが本当に正しいか、指導者にみてもらいます。
正しいことが確認できたら、素直にそのとおりに行動します。
そして、覚えなければいけないことは覚えるようにます。
練習して上達する必要があるものは、診療室以外でも練習します。
簡単なことの積み重ねが大事なのです。
(3)教え下手は自分が教えたいことから教える
教え下手は、相手の能力に関係なく、自分が教えたいことから教え始めます。
もちろん、早めに教えておくべき必要があることを、後回しにするということではありません。
しかし、本人ができない状況をまったく理解しようとしないため、
「なんでできないの?」
「私の時は教えてもらえなかった」
「一度教えたのにできないのは、本人の努力が足りない」
という気持ちがあります。
相手の結果は、こちらのコミュニケーションやインストラクションの結果なのです。
それなのに、できない人の気持ちがわからないと言い切るようでは、とてもとても教え方は上達しません。
(4)教わり下手は教わる姿勢に問題あり
教わり下手は、誰かから何かを教わる姿勢ができていないことがほとんどです。
結局、教わり下手は思い込みが強いので、相手の指導内容を貪欲に正しく覚えようとしたり、聞いたりしようとはしません。
メモも取りません。
もし取っても、正確に取っているわけではありません。
返事についても、説明がすべて終えていないうちから、
「はい」「はい」と元気に返事をします。
しかし、頭の中には入っていません。
人によっては、無反応で小さな声で、よく聞こえないような返事をします。
これでは、教える側も教える気持ちが萎えてしまいます。
その上、ミスをしたときには
「何度も聞くのは悪いと思って聞けなかった」
「前回教えてもらったので、なんだか聞きにくかった」
などという言い訳を平気でします。
教わり下手は、教え手から見て「わかったのか?」「わからなかったのか?」がわかりません。
「教わる側」にも「教える側」にも、
相手を尊重するという基本のマナーがあります。
ここをいい加減にすると、お互いの関係が悪化するのみで、院内の空気が暗い雰囲気に包まれてしまいます。
(有)エイチ・エムズコレクション 代表取締役
歯科衛生士
濱田 真理子
⇒http://www.m-dental.com/