2013年02月15日
(1)臨床で壁に突き当たったら、そこをセミナーで重点的に学ぶ
プロの歯科衛生士とは、本物の医療を提供するために、セミナーへどんどん参加し、勉強し、資格磨きをしながら日々成長している人たちです。
歯科衛生士学校を卒業した頃を思い出してみましょう。
臨床現場で患者さんと接し始めると、学校で学んできたことだけでは、いかに通用しないかを痛切に感じたはずです。
その後、臨床経験を積むごとに新しい壁に突き当たり、それをクリアして成長をしていきます。
その突き当たった壁が、セミナーなどで学ぶべきポイントになるのです。
モリタのメールマガジンやダイレクトメールなどには、常に受講しやすい内容のセミナーが企画されています。
また、歯科材料店からも、リーフレットなど回覧で届けられることもあるでしょう。
そんな情報の中から、とくにキャリア5年目までの歯科衛生士は、臨床に活かせる基礎をきちんと学ぶことが大切で、受講できそうな内容を見つけ積極的に申し込みましょう。
歯周治療時の基本ポジショニングのセミナーやスケーリングテクニック、TBIのセミナーなどをターゲットにし、理解するまで勉強を重ねます。
一度の受講でわからないのであれば、何度でも同じ先生の話を聞くことです。
これはけっしてムダでなく、恥ずかしいことでもありません。
(2)事前に疑問点などをメモしてセミナーを受講する
そこで、もっと効率よくセミナーを受講するにはどうしたらいいのでしょう。
まずは日頃の疑問点や、どうしてもうまくできないテクニックなど、自己成長の過程で壁にぶつかっている点を列挙し、1つずつその壁を明確に自分の中で整理していくこと。
その上で何を学ぶのか目的をはっきり持って、セミナーに参加することです。
こうした実践的なセミナーは、学校の勉強の仕方とは少し違います。
そのため、事前に疑問点、確認したいポイント、理解できない事柄を、ノートなどに書き込んでおくこと。
そうすれば、疑問点をそのままにして帰ることもありませんし、セミナーで教わったことが臨床現場ですぐ活用できます。
たとえば、
・基本ポジションの正しい位置を聞き逃さないこと
・チェアと自分の高さを学ぶこと
・ヘッドローテーションの取り方を学ぶこと
など、見逃したくない情報を知り、何を習得したら明日からの実務につながるかなど、ポイントを絞って受講すべきです。
また、自腹で受講料を払ったとしても、医院が勉強費用を負担してくださったとしても、講義のすべてを聞き逃さないという姿勢で受講しましょう。
そのためには、講義でノートをとる前に、自分のノートに知りたい項目をメモしておくと、受講目的がはっきりし、身につきやすくなります。
当然のこととして復習のため、受講中にとったメモをきちんと自分のノートへ書き写すなど、情報の整理・整頓すること――これは、自分の資格を磨く上で欠かせない習慣です。
(3)ステージごとの明確な目標を持つこと
臨床での仕事にある程度自信がついてきた15年目前後の中堅歯科衛生士であれば、次は医院をまとめる立場として、マネジメントのコツや知識の習得です。
歯科医院は、小さな組織で動いているところがほとんどです。
仕事や職場の人間関係だけでなく、情報や医院理念など、院長先生の片腕となってまとめる癖をつけましょう。
それによって、中堅の歯科衛生士が、どんな歯科衛生士として飛躍していくのかの分かれ道なります。
本物の歯科衛生士とは、自分のスキルや周辺の仕事ができるだけではなく、全体をまとめられる力をつけている歯科衛生士です。
新人の頃は基礎を徹底して学ぶ、中堅になったら統率力をつけていく、ベテランになったら院長を助け、経営者としての視点でもって歯科医院に貢献する――それぞれのステージで、どうやって自分磨きをするのか明確にイメージし、目標をしっかり立てて取り組まないと、プロの歯科衛生士にはなれません。
株式会社 ヒンメル
代表取締役社長・歯科衛生士
田上 めぐみ
http://www.himmel.co.jp