2013年02月01日
歯科衛生士とは、国から資格を与えられたプロフェッショナル(専門職)です。
資格を与えられた瞬間からプロなのです。しかし、本物のプロと資格だけ持っているだけの、いわばセミプロでは、仕事に対するプロ意識が違います。
では、プロ意識とはなんでしょうか?
その第一条件は、自分自身の健康管理がしっかりできていること。
仕事に穴を開けないため、他人に迷惑をかけないためにも必須の要件です。
知らないことがあれば知る努力をする、できないことがあればできるようになる、疲れたからできないなら疲れないようにする、病気がちであれば病気にならないように注意する――それらは健康であることがベースです。
精神的にも肉体的にも健康であることが、プロ意識を持ち、真剣に仕事に向き合っている姿勢なのです。
健康であり、プロ意識をもって仕事をするとは、どういうことなのか、もっと具体的に考えてみましょう。
たとえば、本物のプロフェッショナルな歯科衛生士は、自分自身の体調管理や、気持ちを平穏に保つメンタル管理がとても上手です。
私も10数年、風邪や体調不良でクライアント先に行けなかったことは一度もなく、その体調管理にはずいぶんと気をつかって日々の業務に取り組んできました。
体調管理がなぜ必要なのかを考えるだけで、おのずと本物のプロに近づくための答えがでます。
毎日多くの患者さんと接する職業なのに、自分自身が体調を崩したり、風邪などとひいて患者さんへ感染させたりすると、患者さんに迷惑がかかります。
それだけでなく、インフルエンザに罹患し、院内感染させれば、院長の管理責任にも問われ、医院にも迷惑がかかります。
医療従事者は、ウィルスに感染しないような自己防衛策の知識をもって行動する、基本的な手洗いを遂行するなど、本物のプロとして、患者さんにお手本になるような生活習慣を心がけるべきです。
患者さんに
「しっかりと手洗いできていますか?」
「これから寒くなりますので、外出したら手洗いですよ、気をつけましょうね」
などと、アドバイスをできて当たり前です。
そのためにも、睡眠を十分に取り、栄養ある食事を取ることを習慣化できれば、自分自身の免疫力をあげることができます。
健康であり、元気な笑顔でいられる自分管理は、歯科の知識だけでなく、質の良い睡眠の取り方やビタミンやミネラルなどの栄養素を学ぶきっかけになります。
担当の患者さんが体調不良ならば、自分が休むことなく元気で医療に従事していたことなどまじえて、患者コンサルも可能で、納得させる説明もできるはずです。
自分がバランスよく栄養を摂取できるなどの情報や知識を得ることは、自分の健康に保つことだけでなく、患者さんの体調管理をアドバイスする立場として、情報提供する基礎知識の積み上げにつながります。
医療人が病気になることのないように、とくに自己の体調管理はプロとして完全でなければなりません。
体調管理だけでなく、心の管理も大事なこと。
精神的に安定し、穏やかに患者さんの言葉を聞いてあげられる心を持つことが、本物の歯科衛生士です。
話しかけにくい表情、いつも暗い顔、話しかけると気持ちの起伏が大きく、日によって受け答えがバラバラだったりでは、プロとはいえません。
いつでも誰にでも、心をオープンにできる状態を自分自身で管理すること。
だれにでもあるストレスをいかに溜め込まずにほどよく発散し、精神的・肉体的・社会的にも健康であることを目標に、医療従事者としての意識を常に高めておかなければなりません。
患者さんがメンテナンスや健康を管理するために来院行動をとるように支援し、アドバイスするのが、専門職としての歯科衛生士の本分です。
それは、常日頃からプロとして、患者さんに何を提供するために仕事をしているのか理解していること。
健康を保つための自己管理能力と医療に従事する意識は正比例します。
本物のプロフェッショナルは健康管理がとても上手なのです。
株式会社 ヒンメル
代表取締役社長・歯科衛生士
田上 めぐみ
http://www.himmel.co.jp