2005年12月19日
相続税とともに「贈与税」などという言葉をよく耳にされることと思いますが、しかし実際には「贈与税法」などという独立した税法はありません。
税制度的には、「贈与税」も相続税の一部であり、「財産の譲渡にかけられる税金制度」である「相続税法」の中に「相続税」を補完するものとして「贈与税」が規定されているのです。
ここではまず、その相続税法の全体構成を確認しておきましょう。
意外にわかりやすい構成になっています。
つぎの8つの章から成り立っており、その内容をこれから2回に分けて簡単にご説明します。(説明をわかりやすくするために、柱となる要旨のみを説明します)
第1章 総則 ・・・・・・・・・・・・・・・1
第2章 課税価格、税率及び控除
第1節 相続税 ・・・・・・・・・・・・2
第2節 贈与税 ・・・・・・・・・・・・3
第3節 相続時精算課税 ・・・・・・・・4
第3章 財産の評価 ・・・・・・・・・・・・5
第4章 申告、納付および還付 ・・・・・・・6
第5章 更正及び決定 ・・・・・・・・・・・7
第6章 延納及び物納 ・・・・・・・・・・・8
第7章 雑則 ・・・・・・・・・・・・・・・9
第8章 罰則 ・・・・・・・・・・・・・・10
1 総則
相続税を納付しなければならない者
~相続、贈与により財産をもらう人の中で納税義務を負う人の範囲。
相続税の対象となる財産
~どこまでを相続財産として含めるか。例えば生命保険や定期金など・・。
の定義がされています。
2 相続税
相続税の計算方法が説明されています。
相続税の課税される財産は、第1章の総則に記載されていましたがここでは計算に入れなくてよい財産(税金のかからない非課税の財産や控除できる
もの)も細かく規定されています。~例えば、基礎控除(ひとつの相続につき5000万円+相続をする人の数×1000万円)など。
3 贈与税
贈与によって財産を取得するとかかる税金が「贈与税」であり、その内容が規定されています。
いろいろな人から贈与を受けた財産の合計が、110万円を超えると贈与税がかかることになり、申告が必要となります。
贈与にも控除の規定があり、例えばこの110万円も贈与税の「基礎控除」ですし、その他の代表的な控除としては、
結婚して20年以上になれば配偶者に居住用の不動産を贈与することができる「配偶者控除」などがあります。
4 相続時精算課税制度
この制度は平成15年より新しく創設されたもので、簡単にご説明すると、2500万円までは、
贈与税を心配することなく贈与できるという一種の免税制度です。
これには条件があり65歳以上の親から20歳以上の子供に贈与される場合に限ります。
まったく税金が0円になるわけではなく、親が亡くなった時にこの2500万円分を合算して相続税額を申告することになります。
うまく活用すれば非常に得になる場合がある制度です。
また本文の内容に関するご質問にもなるべくお答えします。ビバリーメール編集部までご連絡下さい。
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