2001年06月18日
4月から歯科医院に勤務されている皆さんも、キャリアのある方も、うっとうしい梅雨の時期になると、気分もなんだか“ゆううつ”になる頃です。
家を出る頃から雨が降っていると、今日一日気持ちが晴れません。
皆さんに知っていただきたいのは、こんな時は、もちろん患者さんも口の中の痛みで気分はすぐれない上に、この梅雨時は、気持ちも暗くなりがちな時期でもあります。
そんな患者さんの気分を少しでも和らげるのが、スタッフの元気な挨拶と、明るい笑顔、そしてやさしい心づかいです。
人は肉体的・精神的に痛みを感じているとき、明るくやさしい人に接すると痛みは軽減されます。元気な挨拶は、こちらも元気にさせてくれ、明るい笑顔はこちらの笑顔を誘います。
特に「電話」は、相手を元気にもさせるし、暗くもさせます。
電話は声だけの対応なので、直接顔を見る以上に相手の様子がはっきりと読み取れます。
先日ある会社に電話した際、こんなことがありました。
電話の声の主はもちろん女性です。
「おはようございます。 ○○○○会社です。いつもお世話になります。・・・・・。」
この女性の声はとても低く、内にこもった声ではっきり聞き取れません。
元気を与えるというより、こちらの元気を抜き取られるような感じです。
その上、言葉では「いつもお世話になります。」ですが この言葉には気持ちが入っていないのです。
朝からとても暗い気持ちになり、その日はなんだか沈んだ一日でした。
多分想像するに、仮に夕方電話をして、この女性が電話の応対をしたとして、「お疲れ様です。」とねぎらいの言葉をかけられたとしても、逆にこちらはもっと疲れるだろうなと思います。
後日談。
彼女は、新人で何事にもまだ自信がなく、明るさが半減していました。
彼女の電話応対は声のトーンはプライベートのときと同じ。そして電話応対している時、机に顔がくっつくくらい上体を倒していました。
これでは声がこもってしまいます。
上体を起こして顔を上げるともう少し元気のある声になります。
「いつもお世話になります。」の言葉は、マニュアル通りの言い回しでした。だから相手に対する気持ちが入っていないのです。
彼女の勘違いしているのは、電話での応対は直接会って応対する「受付」とは違うと思っているとことです。
電話応対は、顔の見えない声だけの「受付」です。顔の表情で、相手の気持ちがわかるように、声のトーンやハリで、相手の気持ちがわかります。
歯科医院の電話応対で、「お大事に。」と言われても、気持ちを込めて言っているかどうかよくわかります。患者さんは、この一言で元気になったり痛みが増したりします。
歯科医院の「声」の受付で、患者さんの心に元気を与えませんか。