2013年03月01日
【1】プロは衛生士業務だけでなくすべてにていねい
本物の歯科衛生士は仕事がていねいです。
それは、歯科衛生士業務に限ってではなく、対患者さんへの動作にもあらわれます。
患者さんのお顔にタオルをかけるとき、優しくていねいであったり、エプロンを外すときにも、髪の毛を引っ張らないよう注意しながら、表情を見て外す動作がていねいなのです。
もちろん、院内を歩くときの音やドアを閉める強さなども、気にならないほどていねいです。
立ち居振る舞いや・しぐさ・動きにそつなく、患者さんに心地よいていねいな医療サービスを提供してこそ本物のプロといえます。
日々の作業の一部分だけがていねいでも、すべてにわたってていねいでなければ本物ではありません。
・口腔内ミラーを挿入するとき、頬粘膜に冷たさを与えないよう、軽くバーナーで炙るひと手間
・ミラーで粘膜を引っ付けないようにスプレーをかけるひと手間
・エアーをかける際もひと言、言葉を添えて動作にうつる心づかい
・先にフットペダルの操作をするのではなく、「お倒しいたします」と声をかけた後にフットペダルを操作する優しさ
・口唇の汚れをとる際も、指でつまんで排除するのではなく、触っているのかわからないように取り除く気づかい。バキューム操作もしかり
・受付でお渡しする書類など、両手を添えてお渡しする心づかい
その他、患者さんとのコミュニケーションの中で、
・受け答えがていねいであったか?
・きちんと目を見てお話できたか?
・患者さんの気持ちを汲み取ってあげようとするていねいさはあったのか?
・問診票に書かれた治療への不安感を、少しでも和らげようと患者さんの心に近づく努力はしたのか?
・業務1つひとつに、これ以上の言葉や動作、作業の仕方がないのか?
など、日々の行動を立ち止まって考えてみるのもよいかも知れません。
【2】「ていねいさ」というスキルとていねいな仕事の数を増やす
ていねいさに欠け、ザツな人に限って、「もともとこんな性格で、普段からこんな感じなんです」と言い訳しがちですが、私たちはプロですから言い訳は通用しません。
プロであるためには、また、本物のプロになるためには、「ていねいさ」というスキルとていねいな仕事の数を増やすことが必要なのです。
私たち歯科衛生士という職業は、口腔とその周辺のとてもデリケートな部分に触れながら仕事をする職業です。
自分の性格がザツだから、その仕草や仕事もザツであることが許される職業でありません。
自分の欠点を理解し、生まれもった性格であれば、なおさら努めてていねいな仕事の仕方を習得し、習慣化するべきです。
引き出しをどうしても強く閉めてしまう人がいるとしましょう。
その場合は、引き出しの中に指を入れて、軽く閉める習慣をつけます(強く閉めると指が痛いから)。
タオルを患者さんへ上手にかけることができない人、自信のない人なら、先輩や同僚に患者さん役になってもらって、自分の動作が患者さんはどのように感じるのかチェックしてもらいましょう。
お掃除の時にも、隅々まで目配りすることを意識し、掃除ロッカーに「隅々までていねいに! キレイに!」と書いた張り紙を貼っておき、掃除する前に目を通すだけでも意識改革になります。
ていねいな仕事ができるようになれば、多くの患者さんに受け入れられます。
「あの人に触られるのはイヤ! 担当を外してほしい」といわれるのは、自分自身が不甲斐ないと思うだけでなく、プロとして失格の烙印を押されたようなものです。
動作や言葉、患者さんへの触り方がていねいになればなるほど、それをできるようになればなるほど、本物のプロに近づきます。
株式会社 ヒンメル
代表取締役社長・歯科衛生士
田上 めぐみ
http://www.himmel.co.jp