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社会人のマナー講座(2) 身だしなみ

2002年05月20日

5月に入り、新人スタッフの方々も慣れ、先生方もとりあえず、一息つかれる頃でしょうか?

世間一般では、五月病とかの季節で、新人諸君の憂鬱な表情と、ますます張り切る新人パワーとに二分される季節だとは言われています。
 
 
さて、そんな時期に、前回、お知らせしておりました、身だしなみの件で注意を与えようと呼んだところ、今後自分がこの仕事をやっていけるかどうか、不安・悩みを打ち明けられ、意気消沈状態で、注意ではなくなってしまったスタッフへの対応についてです。

本人がそれほど自信もなく迷い、気分が下がり、接患サービスにも影響が出て、院長としても、評価に値しないとご判断されれば、「向いていないと悩みながら、仕事を続けるのは賛成しないので、結論を出してください。」と、判断を任せるというのもありますね。

モチベーションをあげ、いつもの現実に戻してあげるという対応です。

まず、意見、注意、指導の前に、本人が
A):何を・どのように感じているのか?
   何ができなくて悩んでいるのか?
B):本人の問題なのか?院内の問題なのか?
について情報を知り、分析することからはじめます。
 
 
A)について

院長「何について、どう悩んでいるのかをまず話してごらんなさい。
その出来事に対してどんな風に感じたのか?」を言わせます。

ここで、注意しなければならないのは、本人が話したことを事実と感情をきちんと分けて聴くことです。

悲劇のヒロインは、こんなに大変なことがあったのよ、私ってこんなにかわいそうなのよ、と自分のことばに酔いますから、感情をあたかも起こった事実のように伝えてしまいがちですから。

現状を把握できたなら、解決できる問題か、解決不可能の問題かを区別してあげます。

院長「○○業務がうまくできないといった点、これは熟練の必要な業務だから、今すぐに、こなせるようになるのは難しいね。でも△△の件は、これは、君自身が△△することで、早い段階にクリアできる問題ではないかな。」

区分けをしてあげることで、まずは、本人の頭の中が整理できてきます。
 
 
B)について

院長「本当に、君の努力不足でできなくて、悩んでいるのか?それとも、君が習得できない他の理由があるのだろうか?例えば教えてもらえない体制だとか・・・。」

本人の努力不足であるならいいのですが、院長にも把握できていない、隠された人間関係があれば、それは院内全体の問題となりいくら費用をかけて人をいれても定着しないということにもなります。

問題がどこにあるのかが明確になれば、あとは本人がクリアしようという気持ちがあるかないかの確認です。再度、がんばっていこうというならば、院長の若い時の努力した経験・苦労話でもして差し上げて、気分を盛り上げてみましょう。

自分にがんばってクリアする意思のないことを言われたなら、1、2週間の時間的猶予を与え、その間、再度がんばることにチャレンジさせます。その期間に変化を確認できなければ、期間の最終日に最終的な話し合いを持たなくてはなりません。

ただ重要なことは、従業員としての縁が切れた瞬間に、患者さんになるということですから、あくまでも、こじれた人間関係のまま、退職させるのは、今後の医院の展開に良くない状況となりかねません。
 
 
ここまでの長い長い、カウンセリングを行わなければならない最終の目的は、退職のスタッフにも「とても、良い医院で勤務させていただいたわ。
すばらしい院長にも出会えたし・・・。」という、好印象を与えての退職時を迎えなければならないということです。

退職時のやりとりの悪いイメージ・噂は早く広がります。逆に良い噂はじわじわ、長く伝わります。
 
 
ここまでの配慮も大変ですが、今後よいサービスの提供を考えると、ある意味、当然かもしれませんね。