MAIL MAGAZINE メールマガジン

ワンランクアップの組織づくりを目指そう!【4】 スタッフのプロ意識を育て組織力を高める

2010年11月15日

*仕事意識チェック! 診療中、こんなスタッフはいませんか?

1:仕事中だというのに私語が多い

2:スタッフ同士の接し方は友達感覚

3:挨拶・返事がしっかりとできない

4:その時の気分によって態度が変わる

5:何度注意しても改善しない

クリニックの組織向上にあたって、スタッフ1人ひとりがプロ意識を持つことが望まれます。

もちろん、多くの専門知識や技術を身につけることへの重要性はいうまでもありませんが、ここでの“プロ意識”とは、人として、歯科医療従事者として、そして社会人としての自覚・意識をもつ姿勢を表します。

なぜ、そうした意識が必要であるかというと、患者さんにとって、スタッフの人間力はクリニックのイメージとして反映するからです。

クリニックの信頼は、ここから始まるといっても過言ではありません。

ある説によると、初対面に会う人物像の3分の2のイメージが、その後も数ヵ月間続くといわれています。

つまり、初診時の患者さんがスタッフへ抱く印象は、その後も数ヵ月間続き、刻み込まれていくのです。

もし、その印象が“いい加減な対応”として記憶されたなら、その認識は患者さんの想像としてさらにふくらみます(消毒はしっかりやっているのかしら?

薬品を間違えてはいないかしら?

カルテはしっかりと保管されているのかしら……などと)。

スタッフの些細な言動にも敏感になります。

時には何気ないスタッフの対応や言動から誤解を招き、不信感へと変わることも否定できません。

1人ひとりのスタッフのプロ意識は、患者さんに伝わり、患者さんの心を響かせたとき、クリニックへの信頼・安心につながっていくことでしょう。

では、ここで、そうしたプロ意識を高めるには、どうしたらいいのでしょうか?

冒頭の意識チェックで1~3までは、スタッフがそのことをしっかりと意識できれば行動に移せるレベルとなります。

まずは、院内のルールを掲げ、スタッフの行動化に導きましょう。

その一例として「ルール」と「マニュアル」についてご紹介しましょう。

例)○○デンタルクリニックの院内ルール

 

<診療中の言動について >

★ユニフォームを着用した時点から私語は慎み、互いに敬語で話すこと(ただし、昼食時間などで患者さんがいらっしゃらない状況は除く)

 

<挨拶・礼儀に関して>

★挨拶・礼儀のマニュアル作成(院内の状況に応じた具体的な挨拶・礼儀を例示)

患者さんの来院時
おはようございますこんにちは

待合室で患者さんの前を通り抜ける際
(軽く一礼)前を失礼いたします

患者さんがクリニックを出られる際
どうぞお大事になさってください

カルテの受け渡し(互いの声掛けをはっきりと!)
(スタッフへ)○○さんのカルテをお願いします→ありがとうございます

患者さんの誘導
○○さん、お待たせいたしました。
どうぞお入りください(ユニットへ誘導)□□先生、お願いします

 

このように、院内で取り決めた具体的なマニュアルを、状況に合わせて明確かつ詳細に示します。

各スタッフがいつでも見られるように、ポケットサイズの小冊子にしておくこともおすすめします。

また、定期的にロールプレーイングを通してトレーニングすると、さらに効果が期待できます。

次に、4、5に関しては、短時間で行動変容するのは難しいテーマかと思います。

時にはカウンセリングが必要になるケースもありますが、まずは、意識改革にあたって、「仕事とは?」「社会人とは?」をテーマに、スタッフに考えてもらいます。

その上で、スタッフが考える内容が、院長先生が求める考え方や意識とあまりにも異なっていたなら、それについて話し合い、指導していきます。

スタッフ自身が考える機会を与えるのも効果的です。

プロ意識を養うにあたって、スタッフのモチベーションを高める意味で、評価基準を設け、ランク別にステップアップしていくこともおすすめします。

プロ意識をもったスタッフの存在は、やがて後輩スタッフにも影響し、より良い組織になっていくことでしょう。