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理想の接着用レジンセメント「パナビアF2.0」の新登場で用途が広がる。

2004年05月06日

「パナビアフルオロセメント」は、フッ素徐放性の光重合型接着用レジンセメントととして5年前に上市されて好評を博した。

この「パナビアフルオロセメント」の硬化機構には、光硬化と化学硬化の2つの機能を併用したデュアルキュアシステムが用いられ、斬新な製品として好評を得た。

しかしその後、市販の光照射器に次々と新製品が登場したので、これに対応できる万能の光硬化技術が求められるようになった。
 
 
そこでクラレメディカル社では、いずれの光照射器にも対応できる光硬化触媒の研究が進められ、その成功を基盤にして、今回「パナビアF2.0」が発売されることになったのである。

最近、国際的な歯科治療の流れとして、健全歯質を可及的に削除しない治療指針(いわゆる「Minimal Intervention Dentistry」が普及しはじめているが、「パナビアF2.0」は、その指針に副った新製品であり、大いに活用されるように薦めたいと思う。
 
 
「パナビアF2.0」の特徴と利点 
 
 
「パナビアF2.0」の最大の特徴と利点は、最新の高出力の光照射器「ハイパーライテル」や「アークライトIIM」の使用により、照射時間が大幅に短縮できたことである。

また狭い波長域を持つ「プラズマアーク照射器」や「LED照射器」にも使用できるようになっていることである。

つまり光硬化触媒の研究により、市販の照射器のどれにも対応できるようになったことが、特徴であり利点である。
 
 
さらに、臨床で使用する場合に問題になっていた、環境光による硬化反応を遅らせて、ペーストを採取して合着するまでの操作にゆとりが持てるようになった利点もある。

このことから、臨床での辺縁の処理などが着実に操作できるようになり、臨床家からは非常に使いやすくなったと好評を得ている。

今後も、「パナビアF2.0」が接着性レジンセメントの代表になることが期待される。

「パナビアF2.0」は光触媒の研究により、光照射して硬化したレジンセメントの物性が向上し、硬化深さや耐摩耗性の性能が高度になったことも実証されている。
 
 
また、「パナビアF2.0」はフッ素徐放性になっており、歯面のフッ素化による耐酸性の向上も期待できる。

EDプライマーIIの併用により、歯面との接着性は確実・強固になるので、最適な合着用セメントとして使用できる。
 
 
通常のポーセレンインレーやクラウン、さらにハイブリッドセラミックス「エステニアC&B」の合着には、KエッチャントGELで5秒エッチングして水洗後、クリアフィルメガボンドのプライマーとポーセレンボンドアクチベータの混合液を塗布してから接着する。

金合金のインレー・クラウンは、メタル表面をクラレのアロイプライマーで処理しておくと、歯面に強固に接着できる。
 
 
以上のように「パナビアF2.0」は、種々の修復に適用できるので、接着性レジンの用途を広げる新材料として大いに活用していただきたい。