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老年医学会トピックス

2002年08月05日

6月12~14日に日本老年医学会が東京でありました。

この学会は2年に一度は、日本老年歯科医学会、日本老年社会学会、日本基礎老化学会、日本老年精神医学会などと合同で、日本の高齢者に関する学会としては最大規模の日本老年学会として開催されます。

今年は単独開催でしたが、来年は合同学会である日本老年学会が6月に名古屋で開催される予定です。今年の発表の中で私がとても興味を持った話題が「葉酸」でした。

ちょうど私の発表の前の演題が、老年医学では第一人者の東北大学呼吸器内科・佐々木教授の教室の発表で、葉酸に関するものでした。

これは、脳梗塞などの既往がない誤嚥性肺炎を起こす患者さんに、1日5mgの葉酸を投与し、2年間追跡調査したところ誤嚥性肺炎が有意に抑制されたという発表でした。

またポスター発表の中でも、広島大学第3内科が葉酸に関する発表をしていました。

これは痴呆症例では血清葉酸値が低い傾向があり、補充療法をしたところ痴呆が改善し、特に若年群の改善率が高かったというものでした。

葉酸について少し調べてみると、ビタミンBの一種で造血機能に重要な役割をし、妊婦には積極的に摂取するように厚生労働省が通達を出したそうです。

しかし痴呆ですとか、誤嚥性肺炎に関する様な記述はどこにもありませんでした。

また、葉酸はレバー、牛乳、ニンジン、ホウレンソウ、カボチャ、卵黄などに多く含まれていますが、熱、日光、水に弱いので調理加工によって破壊されるとも書いてありました。

高齢者の日常の食事を考えると、不足しがちになるのかもしれません。

なにはともあれ、高齢者へのビタミン補充療法という新しい治療法がこれから広まってきそうな印象を受けました。