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これだけは知っておきたい患者さんの接遇AtoZ【4】大事なことは豊かな「表現力」

2012年02月20日

前回は、言葉づかいについてお伝えしましたが、どんなに美しい日本語をお話しても、表現力が足りないとただ流暢なだけで、患者様には事務的に感じられ、むしろ冷たい対応と思わせてしまいかねません。
同じ言葉でも、表情や音の強さやトーンで、相手に与える印象が大きく変わります。
ここが表現力のポイントで、表現力豊かに伝えることで、「魅力的な人」「好感度の高い人」となります。
また、特別なボキャブラリーがなくとも、自分の気持ちを言葉に出して伝えることで、思わぬ会話が繰り広げられ、患者様とコミュニケーションが楽しくなってきます。
とりわけ歯科の現場では、表現力豊かなコミュニケーションが求められます。
決められたマニュアルどおりの言葉や動作では、患者様の心には届かないのです。
そこで、誰でも簡単に使え、実際の場で役に立つ3つの表現力スキルをご紹介します。

【1】「すみません」の変換

お詫びの時、お礼の時、お声掛けの時、「すみません」と表現していませんか?
なんでもかんでも「すみません」で済ませていることがありませんか?
「すみません」は大変便利なのですが、品位や品格がある言葉ではありませんし、表現力という視点でみると、乏しく少し残念な言葉です。
お詫びのとき→「大変失礼いたしました」お礼のとき→「ありがとうございます」声掛けのとき→「恐れ入りますが・・・、こちらよろしいでしょうか?」など、「すみません」に代わる言葉で表現することで、素敵な印象になります。
ぜひ、今日から「すみません」を使わないようにしてみましょう。

【2】褒められた時には

日本人は褒めることも、褒められることもあまり得意ではありません。
褒めることは、ちょっぴり勇気がいるし、照れくさいのです。
褒められることは、少し恥ずかしく、素直に受け止める習慣がないのです。
謙虚が美徳という日本の文化の中で生まれ育っている私たちですから、致し方のないことかもしれませんが、コミュニケーションの世界では、褒めることと、褒められて上手にキャッチすることは、どちらも大切なスキルです。
受付スタッフが、患者様をお褒めするコミュニケーションも大切ですが、ここではまず褒め言葉のキャッチについて練習しましょう。
褒められると、どうしても「いえいえ」「とんでもありません」「私なんかとてもとても・・・」と、せっかくの褒め言葉をキャッチできないことが少なくありません。
それでは褒めてくださった患者様に失礼ですし、患者様のプラスのストロークが台無しです。
褒めていただいたら、「ありがとうございます」としっかりキャッチしましょう。
「あっ、はい・・・」と、恥ずかしそうになんとかキャッチしている方も見受けますが、ここではハキハキと、受け取るトレーニングを積んでください。
キャッチしたら、アイ(I)メッセージをつけるとなお好印象です。
アイメッセージとは、自分が褒め言葉によって受けたプラスの感情を、言葉によって表すものです。
主語が私になります。
「(私は)うれしいです」
「(私が成長できたのは)皆様のお蔭です」
「(私は)励みになります」
患者様から褒めていただいたら、「ありがとうございます。そうおっしゃってくださってとてもうれしいです」と、キャッチとアイメッセージの言葉を添えてお応えしましょう。

【3】語尾を優しくまろやかに!

語尾をはっきり発音すると、滑舌がよくはっきりと聞こえますが、好感度という点では問題があります。
ちょっと強すぎる印象になりますね。
語尾を優しくまろやかに発音すると、一気に女性らしく優しい口調になり、相手の印象も変わります。
たとえば「澤泉でございます」の「ございます」を、最後まで強く発音してください。
はっきりと、滑舌よく、そして強い印象になります。
次に「ございます」の部分を、「い」から少し弱く、「ま」はとても弱く、「す」はほとんど口に出さないような力加減で発音してください。
するとどうでしょう?とても優しい印象に変わるのです。
女性らしさが伝わり、ふわっと優しくエレガントな印象に変わります。

>>株式会社オフィスウエーブ 代表取締役 澤泉仲美子
http://www.office-wave.jp/