2015年09月24日
前回お伝えしたとおり、私の職場は「生きながら天国」です。
皆さんから「うらやましい職場ね~」とよくおっしゃっていただけます。
でも、これは、ただラッキーな職場なのではなく、ここにいる1人ひとりの努力や思いやりが育んだ職場文化です。
また「生きながら天国」を創り上げるための思考や、それを実際に行い、継続するためのスキルを身につけているからです。
もちろん、最初はうまくできませんでした。
覚えたての自転車を運転している感じ。
フラフラ、ユラユラ、ヨチヨチ……。
とても危なっかしくて、軸がうまく取れない、直進は何とか運転できるけど、曲がろうとしたらバタンと倒れちゃう……、何度も転んでけがをして、痛い思いをして……、こうして、うまく運転できるようになってきました。
今では、フロー状態です。
自転車にまたがれば、運転のしかたなんて頭で考えなくても、無意識にうまくこぐことができます。
これがフロー状態です。
そうなるためにも、まずはトレーニングなのです。
なんでもモノの始まりは一番エネルギーがいります。
でも、コツをつかんだら、あとはスーーーっといきます。
私たちが、職場の雰囲気を良くするために実践してきたトレーニングを紹介します。
まずは、コミュニケーション力を引き上げるということです。
職場の環境をよりよくするために欠かせないのは、コミュニケーションです。
コミュニケーションは、双方向であることが大切です。
自分の気持ちや想いだけを一方向に伝えるのではなく、相手とのキャッチボールを楽しむということです。
まず自分が相手にいいボールを投げます。
猛スピードや変化球ではなく、相手がしっかりキャッチできるように、コントロールを定めて、優しく柔らかく、温かいボールです。
これをふくらませた表現力のコミュニケーションとして、以下、3つの愛でお伝えています。
(1)愛声(えごえ):声の表現力をふくらませる
愛される声……「愛声」です。
声にも表情があるのです。
満面の笑顔をつくるみたいに、最大限の美しく愛される声を表現してみましょう。
なんて素敵な話し方なんだろう。
この方と、ずっとお話していたい! 友達になってみたい! 一緒に仕事をしてみたい! そんなふうに感じさせる話し方は、声の表情と直結しています。
★「ありがとうございました」
・少しふてくされて、無表情に、いってみてください。
・頭を深々と下げて、相手に感謝の気持ちをこめて、精一杯の思いでいってみてください。
言葉の意味は同じでも、伝わり方には雲泥の差がでるのがわかります。
愛声のポイントは――
(a)言葉を放物線上に表現する
(b)間と抑揚
(c)スローなテンポ
(d)語尾を小さく柔らかく
(e)笑顔(愛顔)
この5つを意識するだけで、とても優しい印象に変わりますよ。
ぜひ、女性ならではの、優しい語り方を取得してみてください。
(2)愛顔(えがお):表情の表現力をふくらませる
お顔の表情を最大限に表現するのは、もう笑顔しかありません。
それも、ただの笑顔ではダメです。
愛される顔の愛顔(えがお)です。
愛顔には指標がありません。
ポイントは自分が愛顔だと思っているのではダメ!
相手が愛顔だと感じて初めて愛顔です!!
相手がそれを判断するのです。
自分は愛顔のつもりでも、意外と相手はそれを認めてくれないことが多いのです。
だから、いつも以上に、意識して愛顔を表現してください。
愛顔のポイントは――
(a)目が笑う
(b)歯を見せる
(c)楽しい雰囲気
表面的な笑顔は愛顔ではありません。
人に伝わりません。
職場の雰囲気を変えるものにはならないのです。
上顎の3番から3番がキレイに見えると美しい笑顔だといいますが、私は、患者接遇マナーセミナーのときの笑顔の指導や、社内の部下の育成時には「モデルの笑顔ではまだまだ足りない!」と欲張りを主張します。
「左右3~3ではなくて、左右6~6を見せるくらいの気持ちだ!」とお伝えします。
いかがです? 6~6を見せるくらいの笑顔です。
どのようなイメージですか?
もう、もう、楽しくて、楽しくてしかたのない満面の笑顔です。
これが愛顔です。
この愛顔があふれてくるからこそ、職場の雰囲気を変えることができるのです。
愛顔と愛声をフロー状態でできるようにするためには、このようなスキルだけでなく、ご自身が「こうありたい!」というBeingを充実させることも大切です。
理想や夢に突きすすんでいるときに、人は自然にキラキラしたオーラが放たれるものです。
その瞬間、心を止めてご自身を見つめてみてください。
あなたの声と表情は、愛声、愛顔そのものですよ。
ご自身の目標を持つことも大切にしてくださいね。
(3)愛言葉(あいことば):言葉の表現力
どんな言葉をどのように表現するのか。
同じ想いも伝え方によって、また相手のキャッチのしかたによって、意味合いがまったく変わってしまいます。
伝える力って本当に大切です。
言葉は、時に鋭利なナイフのように、人を傷つけてしまいます。
けれどこの鋭利なナイフは、大切な人のために、ちゃんと活用することもできるのです。
大切なのは使い方です。
〔ポイント〕★YOUメッセージよりもIメッセージ
Iメッセージとは、主語が「私」のメッセージです。
「(私は)うれしいです」
「(私は)励みになります」
人から褒めていただいたとき、「いえいえ!」と謙虚に受け取らないで、「ありがとうございます」と素直にキャッチし、さらにこのIメッセージを伝えるようにします。
YOUメッセージとは、相手が主語になる言葉です。
「(あなた)すごいね!」
「(あなた)笑顔いいね!」
多少、上目線に感じさせるときがあります。
相手によっては受け取りにくいメッセージになりますので、これをI(アイ)メッセージに変えてみましょう。
「あなたの笑顔を見ていると、私はすごくうれしい!」
I(アイ)メッセージは、相手のやる気などを引き起こす効果もあります。
何より、それを表現した自分自身が、とても気持ちよくなります。
だからI(アイ)メッセージは愛メッセージなのです。
ぜひお試しくださいね。
(株)オフィスウエーブ代表取締役
日本歯科プロアシスタントスクール(PAS)校長
澤泉仲美子
⇒ http://www.office-wave.jp/