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伸びる歯科医院・伸びない歯科医院 ここが違う【3】キャンセル対策こそ歯科医院を伸ばす決め手!

2014年02月13日

(1) キャンセルの現状と問題点

競争が激化しているといわれて久しい中で、外部要因ではなく内部要因も業績の成否を分ける大きなポイントです。
歯科医院内部の問題によって、業績が改善されない理由のひとつとして10~15%あるキャンセル率が改善されないことがあげられます。

キャンセルに対しての取り組みを実施すれば、予約に対して10%未満に抑えることは可能なのですが、何から手をつけてよいかがわからずに、業績悪化の要因のひとつになっている歯科医院も多いものです。

今回は、キャンセルに対する現状から対策までをご紹介します。
三浦先生の連載でも“患者さん視点”に立ったキャンセル問題を取り上げております。
併せて参考にしてください。

キャンセルから中断・離脱へとつながったり、予約に関しての意識が希薄であることから急患が増え、時間どおりに来院されている患者さんの待ち時間が増えて、満足度の低下要因につながったりとさまざまなマイナス要因となることがあります。

キャンセルは、完全な取り組みを実施してもゼロにはなりえませんが、低下のための取り組みを実施することは欠かせません。

キャンセル率は、信頼関係の尺度でもあり、歯科医院と患者さんとの間に強い信頼関係があれば、やむをえない理由でない限り、キャンセルは起こらないのが通常なのです。

(2) 歯科医院のキャンセルに関しての課題

キャンセルに問題は感じていても、的確な対策を講じることができていない歯科医院が多数存在するのが実状です。

多くの歯科医院では、予約に関して、患者さんへ意識づけができていないのです。
歯科医院の予約は、医院と患者さんとの間の「reservation(リザベーション)→席や部屋などを予約すること」ではなく、「appointment(アポイントメント)⇒人と人との約束」であるということを理解していただく必要があります。

そこで、キャンセル率低下のための具体策を次にご紹介します。

(3) キャンセル率低下のための対策

キャンセル率を低下させるためには、キャンセルが起こる前と事後の両面からの対策が必要です。

〔キャンセルが起こる前に実施すべきこと〕

1・事前電話や携帯メールで予約を確認する→その際、再診の場合は前日、リコールの場合は、3日~1週間前に電話で確認する。
2・カウンセリングルームや受付で「キャンセルは困る」という医院の姿勢を伝え、予約の意義を理解してもらう。
3・患者さんとスタッフや歯科医師との信頼関係を強める。
4・時間を守って来院した患者さんを誉める→(例)「いつも時間どおりに来院していただいて助かります」
5・受付やチェアサイドで「予約の重要性」について掲示物でアピールする。

【事前の確認電話をする際の注意点】

事前の予約確認電話をする際には、予約の事前確認の電話でなく、あくまでも患者さんのために電話をしているというスタンスで連絡する姿勢が欠かせません。

≪電話例≫

スタッフ「○○様、いつもお世話になっております。○○歯科の○○です。明日○時から○○様にご予約いただいておりますが、○○様の症状に何か変化がありましたら事前に対応ができますので、ご連絡いたしました。その後、何か症状の変化はありますか?」

患者さん「変わったことはありません。明日、よろしくお願いします」

スタッフ「何もなくて安心いたしました。それでは、明日○時○分にお待ちしておりますので、お気をつけてお越しくださいませ。」

〔キャンセルが起こった後に実施すべきこと〕

1・電話で「予約をキャンセルしたいんですけど……」といわれた場合の対応を検討する→この場合、「はい、そうですか。次の予約はどうされますか?」というような対応はしないこと。
「○○様にお会いできると思っていたのですが、私も院長も、非常に残念です。どうかなさいましたか?」とキャンセル理由を確認します。

2・度重なるキャンセルの場合→「それは、とても残念です。私どもに何か問題がありましたか?」「私どもはいつも○○様のお口のことを気にかけております。今回のご予約のために私どもにできることは何かありますか?」

キャンセル対策を実施することによって、業績が安定するだけでなく、患者さんのアポイント変更や遅刻が減少するために、アポイントが適正化され、患者満足の向上が実現され、患者さんとの関係性が強くなることで、仕事へのやりがいを向上し、従業員満足が大きくなっていくのです。
その結果として業績アップにつながります。

 株式会社デンタル・マーケティング
 代表取締役
  寳谷 光教
 ⇒ http://www.dental-m.co.jp