2014年01月31日
(1)ネガティブ思考のスタッフでは・・・
コンサルティングで歯科医院を訪問した際に、スタッフとの個別面談(ヒアリング)を実施すると、その話の大半が、院長の悪い点や労働環境の悪い点の指摘に終始するスタッフがいます。
このようなスタッフに共通しているのは、“何のために働くのか”と質問すると「お金のために働いている」という答えに代表されるように、仕事観が低く、安易な理由で働いていることが多いようです。
そのため、こうした意識のスタッフは、何かしらの困難に遭遇したときに、自分に矢印を向けず、自分以外の他人や環境のせいにして、“なんで自分だけつらいんだ”というネガティブな思考に陥ってしまいます。
ですから、自分自身への「動機づけ」ができず、物事が進捗しないので、成果につながりません。
その結果、成果が出ないことを自分以外のせいにする悪循環にはまってしまうのです。
このようなスタッフには、目の前に起こる事象をプラスに解釈する思考を身につける訓練が必要です。
(2)プラス思考のスタッフでは・・・
前述のスタッフとは逆に、常にワクワクした状態で仕事をしているスタッフもいます。
常にワクワク仕事をしているスタッフは、目の前に起こる事実が幸せだからワクワク仕事をしているのではなく、過去の成功体験や成功のイメージから、起こったことに対して無意識にプラスの解釈ができるから、ワクワク楽しく仕事ができるのです。
そして、このようなスタッフは、仕事が楽しいからワクワクと仕事をしているのではなく、ワクワク仕事をすることで良い仕事につながっています。
とはいえ、プラス思考の効果はわかっていても、なかなか実践できないものです。
なぜ、プラス解釈できるスタッフとできないスタッフがいるのでしょうか。
プラス思考が定着しない理由は、人間の無意識の領域に起因します。
人間は、自分の思考をコントロールしているようで、97%は無意識にコントロールされているといわれています。
つまり、人間の思考の大部分は無意識で、顕在化された中での思考は3%しかありません。
このようなことから、無意識の領域が変化しなければ変わらないのです。
その無意識の領域を変えるのが「習慣」なのです。
(3)ネガティブ発言禁止でプラス思考にさせる取り組みを
プラス思考に変えたいと思うのであれば、日常の自分自身の無意識の領域を変える必要があります。
その際、身近で変えることができるのが「言葉」です。
自分自身の「言葉」を変えることで、自身の脳が、プラス解釈をはじめるといわれています。
それが習慣化すると、同じ事実でもプラスの解釈ができるようになるのです。
ある歯科医院では、毎月の取り組みの中に、ネガティブ発言禁止を取り入れています。
それは「疲れた」「無理です」「もういやだ」という3つのネガティブワードを発言すると、罰金制度にしている事例です。
人間の長所と短所は紙一重であるのと同様に、マイナスだと思っていたことが、長期的にはプラスになることも多々あります。
物事は、解釈次第でどちらにもなるのです。
そうであるなら、どんなことも自分自身に矢印を向けて、成長に結び付けたほうが良い結果を生みます。
ここでのプラス思考とは、楽天的思考とは異なり、目の前に起こることに真剣に向き合い、自分のマイナスな思考やうまくいかった行動を反省し、同じ過ちを繰り返さないという意味での「プラス思考」です。
その思考が、仕事においても重要なのです。
株式会社デンタル・マーケティング
代表取締役
寳谷 光教
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