2009年04月06日
患者さんは、インターネットなどで、歯科医院での滅菌作業がどのように行われているか、その情報を得ることが可能になっています。
医院側も「清潔な環境で、すべての器具を滅菌しています」と、HPなどで、アピールできる時代になってきました。
そんな時代だからというわけではありませんが、だいぶ前から、私のお手伝いする医院さんには、全滅菌を行うシステムを提案しています。
それは、何より患者さんが安心して受診できる環境が整備されなければと考えるからです。
滅菌作業のシステムづくりは、初めにしっかりと確立しなければなりません。
それは難しいことではなく、「全滅菌」というシンプルな作業ラインを引くだけで、器具消毒の不完全さを排除できます。
私がコンサルティングを行っている歯科医院のほとんどは、次のような手順で滅菌作業を行っています。
──────────────────────────────────
☆田上先生のワンポイントアドバイス!
──────────────────────────────────
予備洗浄→血液蛋白分解薬液浸漬→水洗→超音波洗浄→水洗→乾燥→滅菌作業
そして、滅菌器としては次の機種を推奨しています。
●小型高圧蒸気滅菌器eクレーブ(㈱モリタ東京製作所)
●小型高圧蒸気滅菌機EXクレーブⅡ(㈱モリタ製作所)
●ホルマリンガス殺菌器ホルホープデンタルASK‐30HP
(㈱アスカメディカル)
とくにEXクレーブⅡは、小器具、タービンヘッドなどを高速で滅菌できますので、大変重宝します。
スタッフは、蒸気排出される音を聞き、そろそろだなと、仕事のタイミングもはかれます。
イニシャルコストは必要となりますが、薬液消毒の煩雑さやランニングコスト、患者さんへの危険性、不潔であるというスタッフのストレス、安全面を考慮すると、比較できないメリットがあります。
加えて開業時には、廃棄物処理のシステム化をきちんと行うことが、医院の信頼性を得るためには重要なことです。
業者さんから、よく「乾電池・電球を入れないでください」などと、通達を受けている医院がありますが、分別モラルが低下している証拠です。
産廃業者さんも、自医院とかかわる医療チームの一員です。
回収時には作業に危険がないかなどチェックし、分別マナーを守ってください。
対患者だけではなく、こうした業者への配慮を行うことが、だれからも信頼される医院づくりのベースです。
┌≪滅菌作業と産廃物処理のチェックポイント≫ ───────────┐
│ │
│①滅菌する器具は付着物を取り除いていますか? │
│ │
│②外科器具、先の尖った器具などは、洗浄時に歯ブラシ、シューズブラ│
│ シなどで清掃し、作業者の安全を確保していますか? │
│ │
│③器具を傷つけない、破損させない、大切に扱うという意識で洗浄を行│
│ っていますか? │
│ │
│④滅菌機器の使用方法を順守していますか? │
│ │
│⑤滅菌機器の定期的清掃を行っていますか? │
│ │
│⑥器具はいつでもピカピカを目指していますか? │
│ │
│⑦1日の流れを考慮し、産廃物の分別方法を考えていますか? │
│ (小分けして、終業時に処分するなど) │
│ │
│⑧産廃物は、正しく分別していますか? │
│ │
│⑨産廃物の分別マナーを守り、 │
│ 業者への配慮もしっかり心がけていますか? │
│ │
│⑩作業者は滅菌・産廃システムを熟知していますか? │
│ │
└────────────────────────────────┘
>>田上先生のホームペ-ジ
http://www.himmel.co.jp