2001年12月17日
「デジタルでアナログな歯科衛生士を目指す」とは、どう言うことだろうか?
「歯科衛生士の仕事の大半は、経験に根ざした『暗黙知』の分野が多くを占め、それはアナログ的なものであると思う」と以前書いた。
例えば、縁下歯石の除去やポケット測定などの、熟練を要するテクニックは、経験に根ざした「暗黙知」と言えるのではないか。
また、「形式知」とは、「暗黙知」を誰もが理解しやすいように、デジタル化したものであると言う。
では、歯科衛生士の業務に、どう「形式知」が絡んでくるのであろうか?
聞きなれない言葉なので、分かりづらいと思うが、例えば、こんな些細なことでも「形式知」と呼べるのではないだろうか。
歯科衛生士がチェアーサイドで、患者さんに健康教育をする場合、一方的に歯周病や齲蝕の説明をしたり、プラークコントロールの話をしても、患者さんの心には、きっと響かないだろう。
「ふんふん」と聞いてくれているようでも、一方通行の押し付けでは成果は出ない。
そこで、話すだけではなく、たまには傍らにパソコンでも置いて、「Power Point」で作成したスライドを見せてみる。
文字やイラストだけでなく、口腔内写真やレントゲン写真も登場する。
また,静止画だけでなく、TBIのまとめとして、歯間ブラシやデンタルフロスの使い方を動画で見せてみる。
ビジュアルに訴えることができるのが、パソコンを用いる利点であろう。
喫煙者に「ヤニで真っ黒になったショッキングな肺の画像」を見せれば、禁煙してくれるかもしれない。
そして、帰り際に、オススメのツールやらポイントをまとめた資料を、患者さんに渡す。
これらの事柄は、パソコンを利用すれば簡単に実行でき、かつ、より効果的な健康教育ができると思う。
このように、歯科衛生士も従来の方法に固執するのではなく、アナログな部分を、可能な範囲でデジタル化してみてはどうだろうか。
さしずめ、簡単な媒体作成からでも良いと思う.
昔も今も、「こんな事ができたら便利だな」と思うことを、パソコンは可能にしてくれるのである。