2001年11月19日
先日、「日本歯科新聞」(10月16日付け)である記事を見つけた。
2面記事の「アンケートは語る(本間幹哉氏著)」である。「IT化 歯科医の半数は否定的」のくだりに目が惹かれた。
前々回のビバリーメールのコラムで、「歯科衛生士のパソコンの需要」について記載したが、日本歯科新聞の記事を読んで、落胆してしまった。
内容をかいつまんで書いてみる。
調査は2001年3月~7月の展示会で、医師・歯科医師・スタディグループを対象に実施。
「診療環境のIT化を必要と考えますか」の問いに対して、歯科医師達はこう答えていた。
個人開業医には必要性は低いのでは
(IT化を否定するのもではない)・・・・・・・・・・・・71人
必要であり,積極的に取り入れることが重要・・・・・・・・55人
必要性を感じない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・48人
必要な部分については取り入れる・・・・・・・・・・・・・42人
必要性は認めるが、コンピューターに対する抵抗感がある・・39人
できることなら導入は避けたいが、社会意識の変化から
不可避であろう ・・・・・・・・・・・・11人
IT化の必要性について、医師は79%、歯科医師は55%が必要であると認識しているようだが、果たしてこの数字は多いのであろうか。いや決して多いとは言えないだろう。
必要性を感じていない歯科医師は48人もいて、その他の項目も否定的な意見が多い。
「診療機器の何をIT化する必要があると考えますか」の問いには、
X線撮影装置のデジタル化 ・・・・・・・・147人
カルテの電子化(保険証のカード化に対応など)・・・・・・62人
診療記録の総括的な記録保存のIT化・・・・・・・・・・・13人
各種臨床検査装置のデジタル化(口腔内カメラを含む)・・・10人
医療情報通信に対応したIT化・・・・・・・・・・・・・・10人
となっている。
医療界におけるIT導入率は、レセコンを除き決して高いとは言えず、さまざまな学会や展示会併設セミナーにおいて、デジタルX線撮影を含む情報管理システムに関するレクチャーを、耳にする機会はほとんどないのも事実であると言う。
歯科医師だってこの程度なのだから、歯科衛生士もまだまだかなと思い知らされた記事であった(ガッカリ・・・)。