2001年10月01日
最近、こんなことを考えている。
パソコンの魅力にはまっていない歯科衛生士に、是非、「パソコンを活用してもらいたい」と思う理由を、分析してみた。
常日頃、「これからは歯科衛生士こそ、パソコンを活用しなくていけない」と熱く語らせてもらっているが、どうも周囲の者には、今ひとつピンと来ないらしい。
それもそうである。
世の風潮は、まだ「SRPテクニックセミナー」や「シャープニングセミナー」が全盛であり、「歯科衛生士によるパソコンセミナー」の需要は全くない。
「歯科衛生士にパソコンってそんなに必要かな」と上司や編集部の人にも言われ、説得できない自分に、歯痒い思いをしてきた(もちろん賛同してくれる良き理解者も多い)。
ある時、同ビバリメールの「生涯学習の時代」というコラムを読んで、ハッとしたことがあった。同僚の豊島義博歯科医師が書いているコラムで「暗黙知と形式知」のくだりである。
「実利を生む『知恵』は経験に深く根ざした『暗黙知』であり、『暗黙知』を誰もが共通して理解できる言語単位に転換すると『形式知』となる。形式知はデジタル信号で送り、加工することが容易になる」(ビバリーメール第5号より)
歯科衛生士の仕事の大半は経験に根ざした暗黙知の分野が多くを占め、それはアナログ的なものであると思う。
例えば、縁下歯石の除去や、ポケット測定などの熟練を要するテクニックは、経験に根ざした暗黙知と言えるのではないか。
アナログ的な仕事をしている時、歯科衛生士は職人であると思う。
その職人技は仕事の主要を占めるものであり、もっと技を磨かなくてはならないのは当然のことである。
でも技だけ磨いていても足りないし、バイオフィルム概念や全身疾患との関わりなど新しく知識も仕入れないといけない。
では、歯科衛生士の業務に、どう形式知が絡んでくるのであろう?
パソコンが、こんなに普及していない時代には、考えも及ばないことであった。
(この話は次回につづく・・・)