2010年07月05日
こんにちは。歯科衛生士の深町厚子です。
昨年夏にも連載させていただきましたが、今回も簡単に手に入るものを使い、お金をかけず、ちょっとした工夫で「快適空間」にするべくいくつかのご提案をしていきたいと思います。
今回はわたしが勤務する数箇所のクリニックの「工夫」もお借りしつつ、6回お送りしていきたいと思います。
お付き合いくださいね。
第1回は、こどもの患者さんに使っている「こんな工夫」です。
≪歯みがきカレンダー+ごほうびガチャポン≫
前回、歯みがきカレンダーを使い悪習癖を改善し、ごほうびに賞状を渡す方法をご提案しました。
今回は「歯みがきカレンダーを1ヵ月続け、完成したカレンダーと交換にガチャポンが1回できる」というシステムをご紹介します。
いくらブラッシング指導をしても、ホームケアとして定着しなければ意味がありません。
でも、小さいお子さんは楽しくなければ持続は難しいですよね。
そこで、このクリニックでは4台のガチャポンが設置してあり、完成した歯みがきカレンダーをお持ちいただくと、1回好きなガチャポンをすることができます。
まず、初めて見たお子さんは「これ何?」と聞いてくれるので、ブラッシング指導の導入にも入りやすく、歯みがきカレンダーも途中で諦めることなく、ゴールのごほうびへとつながっていきやすいようです。
さらに、カレンダーを5枚貯めるともうひとつ小さなごほうびがもらえます。
最初の目的が「ガチャポン」であったとしても、また完璧に磨けてなかったとしても、ブラッシングを持続すること、頑張ったことを評価することは大きな意味があるかと思います。
そして、定期健診も定着しやすく、嫌いになりがちな歯医者さんに楽しく通えることは患者さんと診療室、双方にメリットがあります。
≪レントゲン室のステッカー≫
レントゲン撮影時に小児の場合、じっとしているのが難しいですよね。
レントゲン室の患者さんが座る正面に、キャラクターのステッカーや小さいポスターを貼り、「イチ、ニィ、サンの間、この〇〇さんを見ていてね」と指示します。
小児には、できるだけ具体的に指示することが大切です。
レントゲン撮影時にも「動かないでね」だけでは、1人になる不安と機械への興味から、あちこち見ようと動いてしまいます。
このように「〇〇を見る」など具体的な指示だと理解しやすく、動くことが少なくなります。
また、個室ということで恐怖を感じやすいレントゲン室も「〇〇さんのお部屋に行きましょう」と声かけすることで、恐怖心も少なくなるようです。