2011年07月19日
昨年夏の連載で書かせていただいた「自分で説明媒体をつくってみよう」(バックナンバー第62号)ですが、読んでくださった方から「もっと詳しく教えて!」など、うれしい反響をいただいたので、今回は説明媒体の内容について、具体的にお話しすることにします。
(バックナンバーリンク先)
https://www3.dental-plaza.com/backnumber.html
前回、A4サイズのポケットファイル(図1)を用意して、その中に説明で使いたい資料(本・雑誌・インターネット・新聞などからの記事)をファイル(図2)し、説明時に使ったり、待合室で患者さんに読んでいただいたりできるような使い方をご提案しました。
このときに使用する資料ですが、以下のことに気をつけています。
1)正しく公平な意見、EBMにもとづいた内容であること
2)本・雑誌・新聞・インターネットなどの出典を明確にすること
3)商品は手軽に購入できること
4)伝えたい情報を明確に表していること
★ポイント1:フッ素入り歯磨剤の説明について
もっとも手軽で継続しやすいフッ化物応用は、家庭でブラッシング時にフッ素入り歯磨剤を使用することだと思います。
現在では、市販されている歯磨剤のほとんどにフッ化物が配合されていますが、意外と「フッ素入り歯磨き粉ってどれですか?」と聞かれることも多いですね。
市販されている商品と、歯磨剤の裏にある説明文(図3)を写真に撮り、説明します。「ここを見て、フッ化○○と書いているものを選んでくださいね」といいますが、「フッ化○○」と表したのは、製品によって使用しているフッ化物が違うこともあり、その名称を覚えてもらうのは難しいので、こう表現しています。
そして、ここから発展して、正しい使い方、フッ素の安全性についても説明しています。
患者さんは見たことがある製品の話だと、とても熱心に聞いてくださいます。
★ポイント2:キシリトールについて
甘味料としてキシリトールを使用したガムやタブレットは、知らない人がもういないくらいに一般的な商品となりました。
同時に「むし歯予防」としてもとても有名ですね。
やはりこれらの製品も、私たちは専門家として正しい情報を提供するべきだと思います。
その時に気をつけているポイントは、
・甘味料について……砂糖・代替甘味料・キシリトールの違い
・キシリトール製品の正しい使い方、お勧めの使い方、安全性を伝える
そして、ここから発展して、咬むこと、唾液のこと、水分摂取(甘い飲み物)、食事のことなども説明しています。
いかがでしょうか?
これらは「私が説明したいポイント」を説明しやすくするためのツールです。
他にも清涼飲料水、義歯清掃、口腔機能向上など、さまざまなポイントで説明したいことに合わせて、使いやすい資料を用意することができると思います。
写真や記事などの媒体があると、よりスムースに説明できますし、患者さんもイメージしやすく伝わりやすいようです。
みなさんの工夫も教えてくださいね。