2010年03月15日
当連載も最終回となりました。
最終回は「会計時、予約時の話し方とマナー」です。
何事も終わりが肝心です。
患者さんが気持ちよく歯科医院を後にできるように、心を込めて応対しましょう。
1:患者さんが診察室から退出→「○○さん、お疲れ様でございました」
治療を終えた患者さんには、心を込めてねぎらいのコトバをかけましょう。
患者さんの顔をきちんと見て、やさしさを声にのせて届けましょう。
2:待ってもらう→「あちらにおかけになってお待ちくださいませ」
診察が終わるとすぐに会計ができると思っている患者さんもいます。
イスにかけて待ってもらうように伝えましょう。
10分以上待ってもらうときには、あらかじめその旨を伝えておきます。
3:会計→「○○さん、お待たせいたしました。本日は、○○円でございます」
この際も折り目正しいコトバづかいをしましょう。
「お待たせしました」よりも、「お待たせいたしました」のほうが丁寧な表現です。
なお、治療費が高額な場合、他の患者さんに聞かれないように、紙に書いて提示する方法もあります。
4:お金を預かる→「1万円をお預かりいたします」
「1万円からお預かりいたします」という表現は、違和感の残る表現です。
ファミリーレストランやコンビニエンスストアから広がったともいわれ、いわゆる「ファミ・コン言葉」のひとつですから、
あまりおすすめできません。
5:おつりを渡す→「○○円をお返しいたします」
「○○円お預かりしますね」「○○円お返ししますね」など、無意味に「ね」をつける表現を嫌う患者さんもいます。
“なれなれしい”または“幼児扱いされた”と感じるようです。
なお、お札を返す場合には、必ずお札の向きをそろえて返します。
ヨレヨレのお札を渡さないように気をつけ、シワの少ないきれいなお札を返すようにしましょう。
6:次回の治療費の目安を伝える→「次回の治療費は、おおよそ○円の見込みでおります」
“2千円以上の治療費は高い”と感じる患者さんが多いようです。
おおよその目安を伝えておくと、患者さんも事前にやりくりし準備しておくことができます。
一人で通っている小・中学生の患者さんの場合には、次回の治療費の目安を保護者あてのメモに書きを、患者さんに預けるとよいでしょう。
7:次回の予約を取る→「一番早くご予約をうけたまわれるのは、○日○時ですが、ご都合はいかがでしょうか?」
「いつがいいですか? あ、その日はいっぱいです」というような予約の取り方は双方の時間のムダです。
空いている日時を伝え、すみやかに予約を取りましょう。
8:予約の確認→「○日○時、○○さんのご予約をうけたまわりました」
予約の日時を確認することで、行き違いをなくし、患者さんの記憶に定着させることを目指します。
「お待ちしております」という言葉を添えると、“うっかり忘れた”という事態を避けやすくなります。
なお、「ホワイトデーの次の日です」「ゴールデンウイークの前の週です」など、記憶に残りやすいキーワードを入れるとさらによいでしょう。
9:あいさつ→「どうぞ気をつけてお帰りくださいませ」
どのように忙しくても、患者さんの顔を見て、患者さんの道中の無事を祈るような気持ちでやさしく声をかけたいものです。
寒いときには「お風邪を召しませんよう」、雨が降っていたり、暗くなったりしているときには「お足元に気をつけてお帰りくださいませ」などと、
患者さんを気づかった言葉をかけるとよいでしょう。
患者さんが歯科医院のドアを出るとき、やさしさに包まれ、満たされた気持ちで帰途に着けたら最高です。
6回にわたる連載をお読みいただき、ありがとうございます。
行き届いた接遇により、患者さんの心が励まされ、そして満たされ、貴院がよりいっそう輝くことをお祈りしております。