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これだけは知っておきたい患者さんの接遇AtoZ【6】クレーム対応の注意点:クレームはもう怖くない!

2012年03月19日

【1】 クレームのある場所にはニーズがある

クレームは、なぜ起こるのでしょうか?
私たちが組織や個人でサービスを受けるとき、期待したサービスと実際に受けたサービスにギャップがあることがあります。
期待したサービスが高く、実際に受けたサービスが低い場合には「不満」が生じます。
反対に期待したサービスより、実際のサービスが高い場合には「満足」や「感動」が生まれます。

問題は「不満」が生じた場合です。
不満は、大きく2つに分かれます。
一つは、申し立てが起こった場合です。
これが「クレームの発生」になります。

ここで重要なポイントは、クレームが生じても、ほとんどの場合は「満足して終わる」ということを知っていることです。
生じたクレームに対して真摯に対応することで、ほとんどの場合、解決します。
その後、クレームを出した顧客(患者様)は、その組織のファンに代わるケースが非常に多いことも注目すべき点です。

さて、大きな分かれ道のもう一方に触れておきましょう。
「不満」が生じた後、申し立てをせず、「我慢」させてしまうケースです。
こちらは厄介です。
我慢させることで、不満について改善するチャンスがなくなってしまうからです。
よく「クレームのある場所にはニーズがある」といわれていますが、我慢させてしまうと、大切なニーズに気づけないという大きな損失を生じさせます。

ただし、ほとんどの場合、「不満」は申し立てされず、「我慢」させてしまっています。
私たちも、レストランで不快な思いをした際に「ここの責任者呼んできて!」といって不満を申し立てすることはなかなかしません。
それと同じことが、歯科医院でも起こっているのです。

【2】 クレームは氷山の一角である

実際に、患者様に不満があったとしても、それを医院のスタッフに伝えることはとても勇気が入ります。
ですから、クレームが生じたら、ニーズをおっしゃってくださる貴重な意見だと、ぜひ耳を傾けていただきたいものです。
クレームは氷山の一角であり、ほんの一部のクレームが、組織の大きなニーズにつながっているのです。
目、耳をそむけることなく、素直に受け入れていきましょう。

そのためには、患者様に不満を我慢させないシステムを構築することが大切です。
診療が終わったら、「さらによりよいクリニックにするために、改善点やお気づきのことがありましたら、お教えてください」とアンケートでお尋ねすることもおすすめします。
互いにストレスなく、うまく不満点をお聴きすることも大切なポイントになります。

【3】 クレーマーはファンになりやすい

「クレーム・質問をした人で、その対応に満足した人は、クレーム・質問をしなかった人よりもその組織に対して利益をもたらす」これは、ある有名な調査結果です。
言い換えると、クレームや質問に対して誠意を持って精一杯対応し、それに対して患者様が満足すれば、医院と患者様との間にそれまで以上の深い信頼関係が生まれる、ということです。
その患者様は医院のファンになり、リピーターになり、他の患者様を紹介してくれる可能性が高くなります。
クレームに対しては、最優先に、誠意を持って対応しましょう。

【4】 こんなクレーム対応はNG!

1:言い訳をする
「私、新人なので・・・」「私にはよくわからないです」は通用しません。
「しかし」「でも」「だって」などの逆説の接続詞もNG!

2:いってはいけない2大単語
「絶対」「普通」

3:話しをさえぎったり、迷惑そうな態度をとる
クレームには、あえて清々しく本気でかかわるようにしてください。
スタッフの本気対応が、患者様の心を解放していくのです。

【5】 接遇美人が行うクレーム対応のポイント

1:いつも以上にていねいな言葉づかいを使いましょう。
2:クッション言葉、ねぎらい言葉を意識してつかいましょう。
3:クレームへのお礼と組織(院長先生やスタッフ)へのフィードバックを行いましょう。組織で同じ対応、同じ言葉がけをすることが大事です。
4:とにかく傾聴です。相手に感情移入するくらいの気持ちで聴いてください。

>>株式会社オフィスウエーブ 代表取締役 澤泉仲美子
http://www.office-wave.jp/