スマートフォン版サイト

MAIL MAGAZINE メールマガジン

今日からできる患者対応のポイント【6】患者さんと長くお付き合いするために

2016年03月22日

こんにちは、東京都港区開業、天川デンタルオフィス外苑前の院長の天川由美子です。

このメルマガでは、「今日からできる患者対応のポイント」をテーマに、現在の私が考える一歯科医院の院長としての想いとともにお伝えしてきました。

これまで、初診患者さんからの予約電話に対する受け答えから、初来院時の受付やチェアサイドでの対応や言葉遣いについて連載してきました。

通常、患者さんの治療が終了するとメインテナンスに移行します。

メインテナンスの患者さんが多いほど、その医院の経営や歯科衛生士の雇用は安定します。

患者さんにメインテナンスの重要性を理解していただけるかどうかは、歯科医院にとって収入にも直結する問題です。

今回はいよいよ最後のパートです。

当院で、患者さんと長くお付き合いをするために気をつけていることを述べたいと思います。

〇今来院してくださっている患者さんを大切にしましょう

 開業して8年間、講演会に参加したり、本を読んだりして、さまざまな角度から集患や患者対応について学んできました。

 そして、私のオフィスに向いている方法を模索してきました。

 私のように、都心でチェアが2台のような小さなオフィスで、どんな治療をして経営を安定させればいいのか試行錯誤してきました。

 そこで今たどり着いた1つの結論は「今の来院患者さんを大切にする」ということです。

 新患で、とくにインターネットなどで検索されていらっしゃる方は、私たちにとっては月に10名拝見させていただくのが限界です。

 これまで詳しく述べてきたように、新しい患者さんとお付き合いを始める時は非常に気を遣います。

 その方がどんな主訴をおもちで何を求めていらっしゃるのか、過大な期待を持っていらっしゃらないか、
 歯科の知識や治療経験はどのくらいあるのかなど、数回お会いしただけである程度判断しなければならないからです。

 初めの数回は受付での時間も結構かかります。

 今のところ、私は裁判沙汰になった経験はありませんが、医療事故やクレーマーは自由診療主体の歯科医院ではよく聞く話です。

 そのような対策セミナーによると、初期、すなわち初診時の段階である程度問題解決をすることが、
 その方がクレーマーにならないためにもっとも大切とのことでした。

 一方で、今までずっとメインテナンスに通っていらっしゃる方はいかがでしょう?
 メインテナンスを長年続けていらっしゃる方に、大きなう蝕や急に歯周病が進行することはごく稀なことです。

 何か問題が起こっていても小さな処置で済むことがほとんどです。

 そして、治療した歯を長持ちさせよう、いつも綺麗な口腔内でいたいと思われて、さらに当院のファンで来院されています。

 そのような方々と世間話をしたり、口腔内をチェックしたりするのは、ストレスフリーです。

 みなさまは、ホームページのヒット率を上げて集患したいですか? 

 それとも今の患者さんにずっと来てもらいたいでしょうか?

〇後から振り返れるように、メモなどをデータ化しておきましょう

 人間ドックで同じ検診センターにかかった時に、以前のデータが検査結果に記載されていて、
 担当の先生が比較して説明してくださると安心しませんか? 

 また次回もここに来ようと思われるのではないでしょうか。

 歯科のメインテナンスでも人間ドックと同じことがいえます。

 以前にも書きましたが、当院では治療を希望されるすべての患者さんの口腔内写真を撮影し、
 プロービングデータやデンタル10枚法などを記録しています。

 メインテナンスに移行後は、1年に一度記録し、その写真は外付けハードディスクでしっかりバックアップを取って保管しています。

 また患者さんとのやりとり、たとえば一度脱離して再セットした時に「次回取れたら治療しましょう」とお話しした、
 といった口腔内に関することはもちろん、職場が変わったことやお嬢様が結婚されるといったような歯の話とは関係ないようなこともメモしています。
 (現在はすべてデジタル化しています)
 
 それにより、患者さんに何か質問されたり、気になることが起こった時や、私たちが「あれ? 前からこうだったかな?」と感じた時に、
 すぐに過去の写真や情報と比較することができます。

 去年の写真ではチップしていなかった修復物だったり、以前も同じ場所に違和感があったというメモを確認することで、
 診断や処置もスムーズに行うことができるでしょう。

 メインテナンスに通っていただくことは、私たちが「かかりつけ歯科医院」になるということです。

 患者さんの情報をすべて覚えることは不可能ですので、できる限り文字やデータに残しておきましょう。

〇メインテナンス率を上げるためには

 メインテナンス時期の連絡方法は患者さんに確認しておきましょう。

 3か月先でも日程を決めていきたい方も、近づいたらメールやハガキで教えてほしいと希望される方もいらっしゃいます。

 最近はメール連絡を希望される方が増えています。

 スパムメールにならないようにしておくことも必要です。

 また、当院では、連絡してから2か月後にメインテナンスに来院されたのかを確認し、2度はご連絡するようにしています。
 
 年賀状も、意外と歯科医院の存在を思い出していただける機会です。

 自由診療を受けていただいた患者さんには私が、メインテナンスの患者さんには担当歯科衛生士が一言添えて出しています。

 その結果、1~2年来院が途絶えていた方からひょっこりアポイントのお電話やメールをいただくということもあります。

〇患者さんとの信頼関係を築き、長いお付き合いを

 私はみなさまと同じように、技術者としての歯科医師であると同時に、院長として歯科医院を切り盛りしています。

 これまで、歯の勉強会以外に、
 接遇セミナー、
 ウェブ対策やブログの書き方、
 SEO対策、
 正しい日本語、
 プレゼンテーション法、
 NLPやコーチングをはじめ、記憶術や瞑想教室まで数多くの勉強をしてきました。

 これらは、開業しなければ学ぼうと思わなかったことかもしれません。

 勤務医の頃は悩みもしないことだったかもしれません。

 院長になるのは本当に大変だなと今も痛感しています。

 しかし、「この仕事をしていてよかった! 開業してよかった!」と思うこともたくさんあります。

 遠方からわざわざ通ってきてくださる方、
 私たちの治療に大満足していただき、いつもお土産を持ってきてくださる方、
 また患者さんが、ご家族を紹介してくださったり、
 家族の悩みを相談してくださったり、
 妊娠や出産を報告してくださったり、
 私が載った本を喜んで見てくださったり……。

 今私が開業していられるのは、そういった患者さんと、長く勤務してくれているスタッフのおかげです。

 今回の6回の連載では、「今日からできる患者対応のポイント」がテーマでしたが、
 今まで試行錯誤して辿り着いた現在の私の思いをお伝えしてきたつもりです。

 ほとんどがスタッフとのミーティングのなかで変化していったものです。

 私自身も、この連載を通して自分たちの考えを再認識してまとめることができました。

 それぞれそんなに突拍子もないことではなく、当たり前のことを誠心誠意行うことが大切なんだなと今は思っています。

 信頼関係を築き、患者さんと長いお付き合いをしていくのが私の一番の願いです。

 それぞれ院長のコンセプト、医院の特徴によって対策も患者対応も変わってきます。

 これは院長がリーダーシップをとり、スタッフと一緒に自分たちでつくり上げていくものでしょう。

 私たちの取り組みが、みなさまの歯科医院の何かのご参考になれば幸いです。

 ありがとうございました。

東京都港区開業・天川デンタルオフィス外苑前         
天川由美子
⇒ http://www.amakawa-do.com/