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今日からできる患者対応のポイント【5】患者さんに治療の説明ができていますか? マニュアルを作成しましょう!

2016年03月07日

こんにちは、東京都港区開業、天川デンタルオフィス外苑前の院長の天川由美子です。

このメルマガでは、「今日からできる患者対応のポイント」をテーマに、
現在の私が考える一歯科医院の院長としての想いとともにお伝えしていきたいと思います。

これまで、新しい患者さんと信頼関係を築くための、予約電話、初来院時の対応や話し方などについて述べてきました。

今回は患者さんへの治療の説明について、とくにスタッフが説明できるようなマニュアルづくりについて考えてきましょう。

(1)保険診療と自由診療の違い

みなさまご存じのように、保険診療は、
「痛い」「腫れた」「穴が空いている」「歯がなくて噛めない」など、
疾病に対する治療です。

一方、自由診療は、
「白くしたい」「歯並びを良くしたい」「きれいな歯にしたい」「歯がないところでしっかり噛みたい」「長持ちするいい歯にしたい」など、
患者さんの要望に応える治療です。

両者では、治療費もその処置に対する時間も大きく異なります。

当然ながら、患者さんに保険診療と自由診療の違いについて理解していただく説明が必要になります。

これは、スタッフも同様です。

「院長が急に儲け主義になった」と誤解されないように、患者さんへ説明することを考える前に、スタッフによく理解してもらいましょう。

(2)治療の説明は簡潔に

自由診療は、初日に不可逆的な処置に入るべきではありません。

必ず診査・診断を行い、患者さんに治療内容を説明する時間をとりましょう。

そして患者さんが納得してくださり治療を希望されてから、ようやく治療開始になります。

よって、治療説明のステップは今後の治療を左右する重要な時間です。

「治療の説明はしっかりするべき!」と思い、長くなってしまうことがありませんか?

時々若い先生の説明を聞いていると、話があちらこちらに飛んでしまい、
結局何が言いたいのか自分でもわからなくなってしまっているような場面に遭遇します。

治療に関する言葉での説明は簡潔に行いましょう。

治療の説明を長々としても、患者さんが覚えていられるのはおそらく最後の一言ぐらいでしょう。

また、意味がわからなくてもわかっているふりをされたり、他に気になることがあって、
うわの空でよく聞いていらっしゃらないこともあるかもしれません。

後で「説明した」「聞いていない」になるのはお互い気まずいことです。

何分もお話しするよりも、後で考えることができる材料、図や写真など視覚的に訴えるものをお見せするほうが記憶に残ります。

私は、パンフレットや治療計画書などをお渡しすることのほうが、確実に情報をお伝えできると考えています。

(3)マニュアルづくり

もちろん、歯科医師がすべての治療説明をするのが理想的でしょう。

しかし、それにはメリットとデメリットがあります。

メリットは、歯科医師として科学的な根拠や経験をもとに説明でき、患者さんも納得しやすいこと。

デメリットは、自分のできること(得意な治療)を中心に説明してしまう傾向があること、時間がかかるということがあると思います。

私も開業当初は、治療説明から治療費まで全部自分で行っていましたが、なんとなくお金の話までしなくてはならないことに違和感をおぼえていました。

できれば歯の話だけしたいなと思い、受付でも説明できるツールを探しました。

ここでは、当院が得意としている歯内療法と審美修復治療についての治療説明マニュアルをご紹介します。

 〇まずは自分の症例が必要不可欠!

  マニュアル作りで必要不可欠なのは、自分の症例です。

  他の先生の素晴らしい症例をいくら集めても、自分の症例やその患者さんとのストーリーに勝るものはありません。

  たとえ雑誌に載っているような症例と比較すると劣っているなと感じるような症例でも、それは自分の財産であり誇りです。

  まず、すべての患者さんの術前・術後のデンタルエックス線写真や口腔内写真を撮ることを始めましょう。

  デンタルエックス線写真や口腔内写真をお見せしながら

  「ご結婚式の前で」
  「お父様のご紹介でお越しいただいたのですが」
  「矯正の先生からのご紹介です」
  「ずっとこの前歯の色が気になっていたそうです」
  「他の歯科医院で抜歯してインプラントと言われたとのことでした」

  などのストーリーのなかに、患者さんが共感される何かがきっとあるはずです。

  ちなみに、私は初診の患者さんにお渡しする紙のなかにも

  「当院では、治療中記録の写真を撮らせていただきます」
  「院長がセミナーなどで歯の写真を使わせていただくことがございます」

  ということを書いてあります。

  また、顔貌写真を使わせていただく場合は必ずおうかがいします。

  ありがたいことに、雑誌に載ったご自分の歯の写真に喜ばれて、別刷りをお持ちになる方もいらっしゃいます。

 〇歯内療法について

  歯内療法の説明で患者さんにお渡ししているのは、日本歯内療法学会のパンフレットです。

  学会のパンフレットやホームページには、結構使えるツールがあります。

  日本歯科医師会のホームページにもすべての治療説明がありますので、ぜひご覧になってみてください。

  そして、ラバーダムの写真をお見せしながら、細菌の除去のために行っている治療なのでラバーダムや無菌的処置が必須ということをお話しします。

  また論文から抜粋してきた治療の成功率のグラフ、術前・術後の症例写真(デンタルなど)も見ていただきます。

  「nico」(クインテッセンス出版)のような患者さん向けの雑誌を置いておくのもいいと思います。

 〇審美修復治療について

  審美修復治療の説明は、何と言っても症例写真です。

  審美治療とひと言に言っても、患者さんはホワイトニング、クリーニング、コンポジットレジン修復、セラミック治療の
  どんなものが自分に必要なのかはご存じではありません。

  ご自身の口腔内写真を見ていただきながら、どこが気になるのか、どんなふうになりたいのかをお聞きし、
  その治療に必要なオプションをご紹介します。

  当院では、ホワイトニングであれば、ホームとオフィスの違い、それに使う材料やそれぞれの成分の違いを表にしてあります。

  いずれにしても、マニュアルを作成するためには、説明用オリジナルマニュアル、症例写真、お渡しするパンフレットが必要です。

  以前にも述べましたが、当院ではほとんどすべての患者さんの口腔内写真とデンタル10枚法を撮っていますので、
  それをプリントアウトした紙にメモをしてお渡ししています。

  治療を希望された場合、治療計画書に私と患者さんがサインをします。

  そして、コピーを保管してあります。

(4)スタッフが治療の説明にかかわることで、患者さんとの信頼関係も良好に!

今回は、治療の説明とスタッフも説明できるマニュアルづくりについてご紹介しました。

スタッフが治療の説明ができるようになると、私の話も簡潔になり効率が上がります。

そして、患者さんもスタッフに質問しやすくなります。

たとえば、歯科衛生士には、セラミックやインプラントにしたらどうやって磨けばいいのか、その治療は痛くないのかなどをお聞きになります。

または受付で、もう一度私や歯科衛生士の説明で疑問に思ったこと、治療は何回かかるのか、お支払いのご相談などをされています。

自由診療で必要なのは、患者さんを中心としたチームアプローチです。

この方がどんな主訴で来院され、どのような治療を希望して行うことになったかをスタッフ全員が把握することができれば、
その後のトラブルはありません。

スタッフが治療の説明にかかわることで、患者さんとの信頼関係も良好になるように感じます。

治療の説明やクロージングはある程度スタッフに任せてみてはいかがでしょうか。

次回は、いよいよ最後のメルマガです。

患者さんと長いお付き合いをするために、私たちが努力していることをお伝えする予定です。

東京都港区開業・天川デンタルオフィス外苑前
天川 由美子
⇒ http://www.amakawa-do.com/