2016年01月05日
こんにちは、東京都港区開業、天川デンタルオフィス外苑前の院長の天川由美子です。
このメルマガでは、「今日からできる患者対応のポイント」をテーマに、
現在の私が考える一歯科医院の院長としての想いとともにお伝えしていきたいと思います。
第1回の「患者対応のポイント」は「電話への対応」です。
その前に、まずは当院の開業形態についてお伝えしたいと思います。
(1)「近いから」という理由で来院する患者は少ない時代に
私は2007年に東京都港区で開業しました。
当院は、どんな先生が見に来られても(とくに地方の先生は)
「ずいぶんコンパクトだね~」とおっしゃる16坪の小さなオフィスです。
地下鉄銀座線外苑前駅からすぐ近くに位置し、
窓から外を眺めただけで10件近くの歯科医院があります。
このような場所で開業した場合、「近いから」という理由で来院される患者さんは少なくなります。
近くにたくさんの歯科医院があるのですから、そのなかでご自身の行きたい、または自分に合う歯科医院を探すことになります。
私はこれまで、先生方と同じように、集患やスタッフ教育などに悩み、
試行錯誤しながら、院長として、歯科医師としてがんばってきました。
ようやく最近になって、自分にとって理想的な診療体系になってきたと感じています。
患者さんに来院していただくためには、まず患者さんからお電話をいただく、すなわち数多くの歯科医院のなかから選ばれる必要があります。
それでは、どうすれば自分に合った患者さんから選ばれる歯科医院になれるでしょうか。
(2)ホームページを活用した医院のコンセプトづくり
患者さんは、何かに困って歯科医院を探します。
「歯が痛い」
「歯肉から出血する」
「歯並びを良くしたい」
「きれいな歯にしたい」
そんな時、どうやって探すかといえば、インターネットです。
考えてみましょう。
たとえば、私たちがレストランに行く時、どうやってお店を決めるでしょうか。
ほとんどの方がインターネットで検索されると思います。
もしお寿司が食べたければ、「寿司」「場所」または「予算」など、なるべく細かい検索ワードで調べます。
患者さんが歯科医院を探すときも同じではないでしょうか。
ただ単に、場所と歯科だけでは数多くの歯科医院がヒットしてしまって、どうやって選んだらいいかわかりません。
かといって、ホームページに
「インプラント」「審美」「矯正」「義歯」「予防」等々、
何でも載っていたら、患者さんにその先生の得意分野がわかるでしょうか。
できれば得意分野をアピールするようなホームページをつくるべきです。
私は開業して2年経った頃、自分が得意で好きな治療、
「マイクロスコープを使用した歯内療法」「精密な審美修復治療」
の2つをアピールすることに決めました。
トップページに載せ、症例も豊富に紹介しています。
ホームページをリニューアルして半年後くらいから、
「マイクロスコープで根管治療してほしい」
「正中離開をコンポジットレジンで修復できるか診てほしい」など、
マニアな患者さんがいらっしゃるようになりました。
こういった治療は自分が得意でアピールしたわけですから仕事も楽しいし、
多くの症例を手がけるとその治療もますます上手になっていき、
時間も短縮できるようになり、どんどん良いスパイラルが生まれるというわけです。
(3)どんな患者さんに来てもらいたいか?
先生方はどんな患者さんに医院に来てもらいたいと思われていますか?
もし、よくわからないという方は、できるだけ細かく自分の患者さんを分析してみましょう。
男女比、年齢、治療の内容だけではなく、趣味や職業などの生活背景も意外と共通点があることもあります。
それがある程度集約されてくれば、その方々がメインの患者層となります。
そして、その治療をどのような環境で行うかがコンセプトになるでしょう。
私の医院の大きなコンセプトは「癒しの空間で的確な治療を」です。
治療については先ほど述べた2つがメインです。
患者層は私の年齢プラスマイナス10歳くらいで働く女性、
時間に余裕がある40歳代以降の男性、
そして怖がりな方、意識の高い方などです。
お住まいはさまざまで、東京だけではなく、遠くは米国の方もいらっしゃいます。
(4)こんなタイプの患者さんにはこう説明する
以上のコンセプトと患者層をスタッフとしっかり共有し、次のようなことを心がけています。
○自由診療希望、お忙しい患者さん
・初診時に、しっかりコンセプトを説明する
・治療計画を立て、カウンセリングを行う
・お待たせしない、時間どおり治療を終える
○かなり細かい(治療などについても知識が豊富な)患者さん
・初回に処置はしない
・コンセプト、治療内容など詳しく説明する
・治療計画に納得していただいてから治療に入る
○歯科恐怖症の患者さん
・優しくていねいに接する
・歯科医院らしくない内装や香りにする
スタッフと医院のコンセプトを共有し、スタッフの誰に質問しても同じように答えられるか、ミーティングで確認しましょう。
(5)患者さんからの電話対応のポイント
さて、前置きが長くなりましたが、今回の本題の「患者さんからの電話への対応」です。
初めての患者さんにとって、医院の第一印象はここで決まります。
患者さんが勇気を出して電話をくださったのに、対応が悪くては先に進みません。
感じよく、そしてお伝えすべきことは伝える必要があります。
・挨拶
電話には普段より少し高めの声で出ます。
そして挨拶です。
「おはようございます。天川デンタルオフィス外苑前、〇〇でございます」。
電話に出る文言は、それぞれの医院であらかじめ決めておいたほうがいいでしょう。
・受け答え
初めての方であることを確認したら、主訴をお聞きします。
その際の受け答えが印象を決める重要ポイントです。
用件を理解し、受け入れたことをどのように表現していますか?
「はい」「そうですか」「わかりました」「ちょっと聞いてきます」では、
少し冷たい印象を与えてしまいます。
注意したいのは「了解しました(了解いたしました)」です。
「いたしました」がついているとていねいな感じがしますが、
これは自分と対等の立場の人や、目下の人に対しての返事です。
直接話す場合も、患者さんには使わないようにしましょう。
「は~い」「了解です~」などは、問題外です。
「承知しました(承知いたしました)」「かしこまりました」。
これは、お客様や上司など自分よりも目上の人に対しての返事です。
患者さんからの電話で、このような言葉を使えるようになるとていねいな印象を与えることになります。
・コンセプトを伝える
最初のお電話で「当院のホームページをご覧になられましたか?」ということも必ずおうかがいします。
私のオフィスのコンセプトは先ほど述べましたが、ホームページに詳細に書いてあります。
また、初診時は検査のみで処置をしないことや、キャンセルポリシーなどを最後にもう一度確認します。
・お礼
「お電話いただき、ありがとうございました」
という感謝の気持ちをお伝えして、電話は終了です。
初診予約の電話は、お互いの第一印象を決める重要な機会です。
ここでの印象は良好な信頼関係を築くための第一歩になります。
先生方の医院でもう一度コンセプトを確認し、受け答えの練習をしておきましょう。
次回は、「患者さんの初来院時に、受付が必ずすべき5つのこと」をお伝えします。
東京都港区開業・天川デンタルオフィス外苑前
天川 由美子
⇒ http://www.amakawa-do.com/