2016年01月18日
こんにちは、東京都港区開業、天川デンタルオフィス外苑前の院長の天川由美子です。
このメルマガでは、「今日からできる患者対応のポイント」をテーマに、
現在の私が考える一歯科医院の院長としての想いとともにお伝えしていきたいと思います。
前回の第1回では、医院のコンセプトをスタッフみんなで理解しておくこと、そして患者さんからの電話に対する受け答えについてお伝えしました。
(1)ホームページで「コンセプト」「キャンセルポリシー」を明確化しよう
当院のホームページのトップページには、以下の文章を載せてあります。
「当院のホームページをご覧いただきありがとうございます。
初めてご連絡いただく患者様へのお願いです。
当医院はユニット2台で完全予約制の小さな歯科医院になります。
現在歯科医師は院長のみで自費診療を中心に診療しております。
そのため、ご予約が数か月先になってしまう場合もございます。
初回はお口の中の全体的な診査(レントゲン写真撮影、歯周病検査、口腔内写真撮影等)をさせていただきます。
2回目のご予約では、皆様にむし歯のリスク検査(自費5,000円・税抜)やクリーニングを受けていただき、
そのうえで今後の治療計画を進めてまいります。
歯の治療はその場しのぎではなかなか完治しない場合も多く、根本的な原因を探り、再度同じ治療が必要のないようにご提案させていただきます。
検査なしでクリーニングをご希望の方や、その場のお痛みだけをとってほしいといったご要望にはお答えできないことが多いことをご理解ください。
ご予約に関しましてはお時間を守っていただくようお願いしております。
キャンセルや変更のご連絡は2日前までにお電話でお願いいたします。
2回以上の当日キャンセルや無断キャンセルは、次回以降のご予約をお断りする場合もございますので、ご了承お願いいたします」
ここに「当院のコンセプト」「キャンセルポリシー」について、かなり厳しめに書いてあるのがおわかりいただけるかと思います。
これをお読みになって「保険でさっさと治療してほしい」という方はいらっしゃらないのではないでしょうか。
(2)初診の患者さんとスムーズなコミュニケーションをとるために
すなわち、初診で来院いただくまでの流れが、
□自分の医院のコンセプトや治療の流れをホームページで紹介
↓
□予約の電話で「ホームページをご覧になられましたか」とお聞きする。
また、初回は診査のみになることと当院の治療の流れを説明
↓
□初診時
となりますので、受付が話すことは「説明」ではなく「確認」になります。
このような治療の流れをご存じなく来院されると、
「治療希望できたのに検査だけ」
「唾液検査が必要なら治療を受けたくない」
「すぐに治療してほしい」
「メインテナンスに通いたくない」
というタイプの患者さんのご希望に応えることはできないため、トラブルの原因になります。
受付も患者さんも、初診時に長々とコンセプトなどについて話をするのも聞くのも大変です。
初対面で多くのことをお伝えしても、覚えていることができるでしょうか。
前回お伝えしたように、あらかじめ医院のコンセプトや治療の流れをホームページに載せておくことと、予約時にきちんとお伝えしておくことは、
初診の患者さんとスムーズなコミュニケーションをとるために、とても大切なことなのです。
私も以前は急患の応急処置などをしていました。
しかし結局、受付でも私の処置でも中途半端な説明になってしまい、うまくいかないことが多くありました。
一番嫌だったのは、予約どおりいらしている患者さんにご迷惑をおかけすることです。
そんなことを何度か経験し、スタッフと話し合い、やはり「最初が肝心」ということになったわけです。
(3)初来院時、受付が必ずすべき5つのこと
〔1〕保険証、メールアドレスなど個人情報の確認
初めに保険証を確認します。
有効期限が切れている保険証をお持ちになる方もいらっしゃいます。
受付が固定でない医院はとくにスタッフ全員で気をつけましょう。
初診時だけではなく、再初診や毎月の確認も、医院や薬局では当たり前のことです。
確認ミスで返戻があった場合、確認しなかった私たちのせいです。
また当院では、2日前にリマインドメールを送っています。
そのため、迷惑メールにされないように設定してもらう必要もあります。
最近はメールでアポイントを取られる方も多いので、初回にテストメールを送るなど徹底します。
またメール連絡を希望されない方は、その旨記載しておいてメールを誤送信しないようにします。
〔2〕コンセプトの説明
ホームページにも載せてある「治療の流れ」について、A5の紙にプリントアウトしてあるものをお渡しし、もう一度ご説明します。
そして、問診用紙の「当院のコンセプトについて説明を受けました」にチェックしていただきます。
〔3〕問診
皆様の医院でもそれぞれ問診表が用意されていると思います。
それに記入していただき、受付、歯科衛生士、歯科医師がそれぞれ目を通します。
飲まれているお薬やアレルギー、または歯科恐怖症など注意事項がある場合は、赤で○をつけるなど目立つようにしましょう。
〔4〕診査後の問診
診療室での診査や、私との簡単な話が終わってから、もう一度詳細に状況や希望についておうかがいします。
診査の後には医院の雰囲気なども少しわかっていらっしゃいますので、診査前とは違った情報や希望をおうかがいできることもあります。
また、生活習慣などについてもお聞きします。
これは次回の唾液検査の問診事項でもありますので、
「次回の唾液検査のためにいくつかおうかがいします」
と自然にうかがうことができます。
〔5〕次回のアポイント
最後は次回のアポイントです。
日時、曜日、内容そして自費の治療費がある場合は必ず「次回は〇〇をしますので、〇〇円かかります」と説明します。
当院では、
アポイントカード(日時)、
アポイントソフト(処置部位、内容、治療費の詳細も)、
カルテ(裏に日時と簡単な内容)
の3点セットに記入することにしています。
アポイントのミスは患者さんだけではなく、他の患者さんやスタッフ全員に迷惑をかけますので、絶対にしないようにしましょう。
そして、「お疲れ様でした」「またお待ちしております」などの言葉をかけて終わります。
基本的に当院では「お大事になさってください」の言葉は使用しません。
自宅で寝ていなくてはならないことをすることがほとんどないからです。
その医院によって最後の言葉は変わるかもしれませんので検討しましょう。
(4)スタッフ全員が同じようにできることが大切
今回お伝えした「受付が必ずすべき5つのこと」は、もちろん皆様すでに行われていることがほとんどだと思います。
特別変わったことをするわけではありませんが、「スタッフ全員が」「同じように」できることが大切だと考えています。
とくに問診表を充実させておくと、新人のスタッフもスムーズに問診できるようになるでしょう。
私は正直言ってマニュアル化するのはあまり好きではありません。
そのスタッフそれぞれの個性を活かして、患者さんとコミュニケーションをとってほしいと思っているからです。
しかし、初診時の信頼関係が築けていない頃に、そのようなコミュニケーションをとることは不可能です。
初診時のコミュニケーションには、ある程度の決まりごとが必要でしょう。
次回は、「知っておくべき歯科用語」、とくに当院で得意にしている歯内療法と審美修復治療に関しての用語を、
患者さんにどのように説明しているかをお伝えしたいと思います。
東京都港区開業・天川デンタルオフィス外苑前
天川 由美子
⇒ http://www.amakawa-do.com/