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患者さんを増やす(増患対策)アイデア【4】コミュニケーション10分ルールづくりを

2010年05月06日

最近、予防歯科に力を入れている歯科医院が増えてきました。

歯科衛生士などの教育にも、力を入れてきています。

しかし、肝心の定期的メインテナンス患者数に関しては、一定数で頭打ちになってしまい、なかなか伸びていないのが現状です。

リコールハガキを送付するなど、基本的な取り組みは行っているのですが、さらにメインテナンス患者数を増加させるためには何が必要でしょうか。

そのためには、患者さんの来院理由を把握する必要があります。

現在、定期的なメインテナンスで通院をされている方々は、あなたの医院に、どのような理由で通院をされているかということを、考えてみたことはあるでしょうか。

以前、ある医院の歯科衛生士の方に、同様の質問をしたところ、「それは、定期メインテナンスをすることで、自分では取ることのできない汚れを取ることができるし、歯周病の進行を予防したり、むし歯の発生を抑えたりするためじゃないですか」という答えが返ってきたことがありました。

もちろん、そうした理由で定期的に通院している方もいるかもしれません。

しかし、実際には、こちら側が感じている理由と患者さんが感じている理由とに、大きな隔たりがあるのです。

言い換えれば、医院側が思っている価値と、患者さん側が思っている価値に、大きなギャップがある場合もあります。

たとえば、実際に来院者の方にアンケートをとってみると、「歯科衛生士さんとの人間関係」「メインテナンスをすることでさっぱりするから」といったものから、「家族ぐるみの付き合いだから」といった、理由ともつかない理由をあげられる方も大勢います。

こうしたギャップが生じるのは、一般的なサービスではあまり考えられないことです。

たとえば、ラーメン店であれば、店主は「美味しいラーメンを提供したい」と考えているのに対し、ラーメン店の客も「おいしいラーメンが食べたい」と考えているものです。

ここで重要なことは、歯科医療という非常に専門性の強いサービスの場合、サービスの受け手が求めるものと、サービスの提供者が提供しようとしているものに、大きな差異があるということです。

ですから、サービスの提供者は、患者さんの意識を高めることや、患者さん教育に力を費やさなければ、患者さんに本来の価値に気づいてもらえないということです。

こうしたことを念頭においた際に、あなたの歯科医院ではひたすらに歯石除去などの処置に時間を費やしてはいないでしょうか。

30分の処置枠の場合、患者さん側の意識が低い段階では、20分の処置、10分のコミュニケーションというルールづくりをしている歯科医院もあります。

誤解を恐れずにいえば、処置時間が20分に短縮になることにより、100点ではなく、80点の処置になってしまったとしても、残りの10分間で患者さん側の意識を高め、ホームケアの重要性を理解してもらい、継続的な定期メインテナンスへの来院につなげることができれば、患者増は自然に達成できます。

10分間コミュニケーションこそ、最終的には本当の意味での患者第一になるのではないでしょうか。