2009年10月19日
みなさんこんにちは。株式会社ブライソン経営研究所の山田です。
やる気を引き出す上で、きわめて効果のある褒め方6つの技法を紹介していきます。
今回はその中の3つ技法を取り上げました。
日常の場面で、気軽に使っていくうちに、身についていきますので、頑張ってください。
★技法1:「何がどのように良かったのかを具体的に褒める」
何がどのように良いのかを、具体的に指摘して褒めること。
抽象的に褒めると、単におだてているだけと勘違いしてしまいます。
相手の気分を良くしようと、何でもかんでも歯に衣を着せてしまう“おだてる”ような褒め方は逆効果です。
“やる気が高まったとき”という経験について調査してみると、“上司から評価されたとき”という意見が多く、さらに具体的にどのように評価してくれたのかを掘り下げていくと“褒められたとき”へと必ずつながっていきます。
したがって、褒める行為は、評価であったり、認めることですから、内容が具体的なほど納得感が高まるのです。
×「全体的に良かったね」(抽象的すぎる)
○「とくに、治療の概要を始めに説明した点が、患者さんにとってわかりやすさにつながっていたと思うよ」(具体的に指摘する)
★技法2:「客観性を持たせた褒め方をする」
褒め言葉を相手に納得してもらうことが大切です。
その効果的な方法は客観性を持たせることです。
いくら褒めても納得性が低いと、相手は“褒められることに値することなのかなぁ?”という疑問が浮かぶこともあるからです。
例)「過去10年間、この書類作成を任せた人はこれまで何十人もいるが、1回目でここまで完璧にできた人はあなたが初めてですね」
このように、数字などを使って分析的なフレーズを盛り込むと効果的です。
★技法3:褒めるタイミングを見計らう
物事にはタイミングがあるように、褒める場合にもタイミングが肝要です。
とくに次の2つの状況においては、意識して褒めることを心がけましょう。
1) やり遂げたとき(達成したとき)
・“仕事をしていてやりがいを感じるときは?”
という質問には、“やり遂げた(達成)とき”
という意見が多いことはいろいろな調査結果でわかっています。
また達成した瞬間は、この事実を周囲に認められたいと欲求も強くなりますから、この瞬間に必ず褒めてあげるのです。
例)「ここまで何度も壁にぶつかったのではないかと思いますが、よくくじけずに努力し続けましたね」
・やり遂げたことを、本人の努力や能力の高さによるものであることを指摘することがポイントです。
あえて、それ以外の要因、たとえば「運が良かったね」などといったことは口にしないことです。
2) 思いどおりにならないとき
・自分の能力に自信を持っているスポーツ選手であれば、より高いチャレンジ目標を掲げるものです(「世界でどこまで通用するか試してみたい」)。
逆に、スポーツ選手の引退する時のコメントは多くの場合「能力の限界を感じた」というものです。
・人は能力に自信があれば努力しますが、能力がないと認識すれば努力すらしなくなる傾向があります。
たとえば、人は壁にぶつかると、能力がないのだという屁理屈で自分自身を納得させ、以後努力することをやめようとするのです。
したがって、このような場合にも意識的に褒めるのです。
その時の褒め方には2つポイントがあります。
1.これまでの努力がムダになっていないことを伝える
例)「今までやってきたことは、けっしてムダになっていないよ。この前も患者さんが“この医院の中はとてもよい香りがするよ”っていっていたよ」
2.“あなたにはやり遂げられる能力が備わっている!”ということを伝える
例)「私は、あなたがやり遂げられる能力があるから任せているのです。
能力の問題ではなくやり方の問題ではないでしょうか?
あなたなら、必ず答えを見つけることができると思っています」
次回は、残りの3つの技法を紹介します。