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実践 早期治療:咬合誘導から始まる生涯メインテナンス【1】今、まさに咬合誘導の時代!

2018年12月27日

(1)なぜ今、歯科界で総義歯が大ブーム?

今、歯科界では総義歯が大ブームである。
ここ1、2年、歯科雑誌各誌でも総義歯の特集・連載が組まれ、歯科学会の総義歯ホールも講演会でも超満員の大人気。
総義歯を一生懸命に指導している歯科医師や学んでいる歯科医師に申し訳ないが、なんとなく時代に逆らっているようで不思議でならない。
厚生労働省「平成28年歯科疾患実態調査」では8020達成者はなんと51.2%であった(図1)。

これだけ無歯顎患者が激減しているのに、総義歯がブームになっているのはなぜだろう?
図1「平成28年度歯科疾患実態調査」。8020達成者が50%を超える。

(2)歯科界ブームの変遷
私は大学歯学部を1983年に卒業し、卒後、補綴クラウンブリッジ学講座に残った。

その当時、まだまだ無歯顎患者も多く、総義歯はブームであった。
その後、すぐにコーヌスクローネを用いた局部床義歯がブームになった。
1990年前半は歯周補綴、1995年後半からはオベイトポンティックなどの審美的なブリッジからクラウンがブームになった。
そして、2000年代は猫も杓子もインプラントになびき、欠損補綴がすべてインプラントに変わるような勢いだった。
しかし、審美補綴ブームも終焉し、インプラントはある医療事故からマスコミに叩かれ、インプラントブームも沈滞した。
その後、2010年くらいから審美コンポジットレジン(以下CR)充填がブームとなり、現在まで続いている。

このように、う蝕や歯周病による喪失歯または歯冠崩壊がなくなるにつれて、総義歯⇒局部床義歯⇒ブリッジ⇒クラウン⇒CRと欠損補綴から歯冠修復へと時代ともに患者さんのニーズが変わり、それにともない歯科医師の関心が移行してくるのは必然であり、自然な流れである。
それゆえ最近の総義歯ブームは、なぜ流行るのかよくわからないのである。
図2 歯科界ブームの変遷。次に来るブームは?

(3)審美CRの次に来るブームは咬合誘導!
先に述べたように、欠損補綴⇒歯冠修復へ、審美補綴⇒審美CRへとブームは変遷してきたが、次に来るブームは何か? 
欠損補綴~歯冠修復するものがなくなり、審美CRまで来たのである。
もうこれ以上削ることはできない。
では次は削らないで歯科治療ができるもの、すなわち、う蝕予防~歯周病予防か、咬合誘導~矯正しかないと思うのは私だけであろうか。

う蝕予防か歯周病予防は、すでに2000年前後で大ブームとなった。
今では誰もが当たり前のようにう蝕予防~歯周病予防を行っている。
2017年文部科学省の調査によると12歳児1人平均う蝕数は0.82本となり、日本の小児う蝕は激減した。
それにともない乳幼児期を含む成長期の歯科医療も、う蝕の治療・予防から、健全な永久歯列の完成を目指す咬合誘導へ、多くの患者さんや家族、歯科医師の関心が移ってきている。

以上の変遷を鑑みると、間違いなく次に来るブームは咬合誘導である。
今、まさに咬合誘導の時代が始まる!

関崎歯科医院 院長
関崎 和夫