2002年02月18日
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第1回 術前の歯肉のコントロール(ビバリーメール12号掲載)
第2回 手術1~2週前の準備 (ビバリーメール19号掲載)
第3回 手術中の管理
第4回 基本テクニック1“切開・剥離”
第5回 基本テクニック2“手術部の処理”
第6回 基本テクニック3“縫合”
第7回 GTR法における自家骨移植
第8回 MGS法におけるテルダーミスの応用
第9回 創傷治癒と術後管理
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【第3回 手術中の管理】——————————–
歯周外科手術では、基本的な技術に沿った切開・剥離によるポケット内縁上皮の除去に引き続き、不良肉芽(歯周病に罹患した慢性炎症性組織)の除去やルートプレーニングに大部分の時間を費やすことになります。
このような処置においては、手術部における細菌に汚染された組織や、起炎物質の除去が重要となります。
当然ながら、不良肉芽や汚染セメント質の取り残しがないこと、さらには除去した汚染物質等が創傷部の内部(根面、歯肉弁内面、骨面)に残存させないことも重要な事項と考えられます。
手術中の防止対策としては、滅菌生理食塩水による手術部の洗浄であり、処置時間が長くなるほど必要です。
通常の麻酔下においては、歯肉弁剥離直後の出血量はそれなりに認められますが、時間の経過とともに減少し、麻酔効果の減じるときに出血量は増加するようになります。
このようなことから、滅菌生理食塩水による洗浄は汚染物質の除去のみならず手術部の乾燥防止(細胞の壊死を防止する)、場合によっては出血の抑制による手術野の明視等にも効果的です。