2001年12月03日
1年前、新世紀のスタートである今年を、世界中の人々はどんな気持ちで迎えたのでしょうか。
20世紀終盤から今日にかけて、情報産業を主体とした、第三次産業革命が起きているといわれています。
人類が最初に経験した18世紀末の第一次産業革命は、蒸気機関とそれで動く鉄製の機械、そして綿工業に代表される軽工業によるものでした。
そのことは、人類が海を越え、未開拓地を植民地化しその恩恵を吸い上げるという所業を引き起こしました。
次なる19世紀末の第二次産業革命は、石油と電力という新エネルギー源を利用した各種の機械と、化学合成物質などの新素材を生み出した、重化学工業が主導したものでした。
その結果、富を築いた大国同士が、互いのイデオロギーという思想の相違から冷戦状態となり、多くのコストが軍事費に費やされました。
そして現在、デジタル技術による情報通信産業の発展により、以前は情報伝達手段が新聞、ラジオあるいはテレビというマスメディアだったものが、個人によるパソコンレベルで可能となり、その情報発進は個人レベルでも可能となりました。
これがいわゆるパーソナルメディアです。
今まで巨大組織が持っていた情報通信力を、個人が持つことになることの影響力は計り知れず、地球規模でダイナミックな情報を通じて、価値観の変革がおきる予感がする・・・・。これが第三次産業革命とまで言われる所以なのでしょう。
さて、いままで3回のコラムを通じて、私は現在のインターネットが普及する以前からの経験談を書いてきました。
利便性を感じることはもちろん、おおいに得をした面もありました。
また、皆さん同様セキュリティーやウィルスの問題、あるいはエチケット違反の迷惑メールなどやっかいな問題にも直面してきました。
これらを踏まえながら、今一度、歯科医療界に目を向けると、上に述べたような情報革命と今日の医療全般に求められている医療改革は、同時にリンクして進んでいると、考えて良いのではないでしょうか。
すなわちインターネットのお陰で色んな情報が直接やりとりできる、その利用の仕方の多様性ゆえに、主体性を確立しルールを守る必要がある。
私はこの情報社会の基幹となる意識が医療改革にも求められていることを是非強調したいと思います。
次回は、医療改革と情報革命について具体的に触れたいと思います。