2013年06月17日
「歯科衛生士や歯科医師の採用が難しくなっている」という声を耳にする反面、応募者が行列をなしている歯科医院も多数あります。
この違いは、どこから生まれてくるのでしょうか。
スタッフが喜んで働きたくなる医院組織になっているかどうかがポイントです。
歯科医院はスタッフも少ないから、組織などというのは必要ないという院長先生もいますが、スタッフから選ばれる歯科医院にならなければ、医院経営はジリ貧になってしまいますから、医院の組織基盤の整備が欠かせない時代になってきています。
どんなにインターネット等の広報活動に力を入れても、強い組織基盤をつくっていかなければ、長期継続的に発展する組織にはなりえません。
単なる“集団”から全員が共通の目標を持って、主体的に取り組む強い組織に成長するためには、次の2つの視点が欠かせません。
★第1段階:スタッフの人生のゴールと院長の経営のゴールを擦り合わせる
経営者である院長は、スタッフ自身が自分の将来像をイメージし、仕事のやりがいを見出せるような環境づくりに注力することが大切です。
そのためには、スタッフ自身の人生プランを経営サイドが理解し、クリニックの今後のプランに共感してもらう必要があります。
あくまでもここで重要なのは、面談をする院長が、スタッフの人生を応援するサポーターとしての立場に立つことです。
スタッフが自分の理想の人生像に、クリニックの将来像を重ね合わせて、同じ方向に向かって一体となることができれば、スタッフはワクワク楽しく仕事に取り組むことができますし、医院も発展することができるのです。
その際に重要なのは、スタッフが自分自身の目標を持つことなのですが、現状では目標を持てないスタッフが多くいます。
短期的目標を持って取り組む習慣がないのですから、長期的目標(理想の人生像や夢)をイメージできるスタッフはわずかです。仮に持つことができても、それを表現することができないのです。
長期的目標が明確になれば、その目標から逆算して、この1年、この1ヵ月、この1週間を、どのように頑張るのかを考えることができるようになります。
このような互いの目標に関して、時間をかけて院長とスタッフが話し合っていくと、面談が指導の場ではなく、「夢を語り合う場」になることで、信頼関係が強固になっていくのです。
★第2段階:目標を追う組織にする
「スタッフ自らが考え、自らが目標を決め、現状を把握して、目標達成のために何が問題なのかを考え、改善していく組織にしたい」
という院長は多いのですが、実際にはそうはうまくいきません。
スタッフが人生目標や年間目標、月間目標を意識しながら仕事に取り組むケースは少なく、目標を持てないままに、何となく勤務しているのが現実です。
それを改善するための即効性のある特効薬はありませんが、小さな成功体験を積み重ねる環境づくりが重要です。
たとえば、今まで月間契約者数が10人だったホワイトニングを15人にする目標設定をします。
そうすると、5人の契約者の増加が必要になってきます。
現状と目標のギャップを感じての課題・解決策を検討して、みんなで取り組んだ結果、目標を達成できればうれしいですし、達成できなければ、なぜ達成できなかったのかを自分たちで考えるようになります。
目標をメンバーみんなで追って取り組む中で、
「白い歯を手に入れたおかげで、歯に関心を持てるようになりました」
というような喜びの声を顧客からいただけると、スタッフもうれしくなり、「もっと目標達成に向けて頑張ろう!」という気持ちが自然に湧いてくるのです。
成功体験の積み重ねによって目標を追うことが楽しくなり、自然に目標を追える組織に成長していきます。
目標を設定する際に注意する必要があるのは、具体的でかつ達成・未達成が明確な目標をかかげて取り組むことです。
抽象的な目標では、達成感を味わうことができないのです。
忙しい中で、何となく毎日が過ぎてしまっている経営のマンネリ感を感じているのであれば、目標をオープンボードでみんなが意識して、みんなで追うことにより、刺激と喜びを分かち合えるきっかけをつくりましょう!
自院に勤務したことで、スタッフがワクワク楽しい人生にしてほしいと思わない院長はいないでしょう。
「スタッフの幸せを本気でサポートするんだ!」
このような院長の本気の姿勢が、スタッフの心を動か原動力になるのです。
株式会社デンタル・マーケティング
代表取締役社長
寳谷 光教
http://www.dental-m.co.jp