2013年05月31日
今、小手先だけのノウハウが、歯科界を含めて世の中には溢れています。
しかし、小手先のノウハウでは、長期継続的に良い医院経営をすることはできません。
医院経営のベースをつくっていく段階では、ノウハウやマニュアルは欠かせないのですが、それだけですべてが解決するほど、経営は単純ではありません。
スタッフ1人ひとりを、経営者に近い意識レベルまで育成すること、顧客を医院の取り組みに関して助言してくれるような経営アドバイザー(ロイヤルユーザー)に育成していく観点が重要です。
そのためには、院内でのミーティングを効果的に活用していくことが肝要ですから、今回はミーティングの効果的運営方法に関してお話することにします。
1 効果的なミーティングのポイント
◆ポイント1◆【院長の発言を20%以下にする】
院長の指示・命令が多くなると、スタッフは自分自身で考えることをしなくなり、結果的に、院長の「指示待ちスタッフ」になるのです。
指示待ちスタッフが増えてくると、変化への適応力が低下します。
競争力の弱い組織の多くにその傾向があります。
ミーティングでは、院長やリーダーが発言を極力控え、スタッフ自らが考え、決定する風土を創っていくこと。
それによって、日々の業務改善スピードが大幅にアップします。
◆ポイント2◆【1回1時間以上の時間をとる】
単なる情報伝達や情報共有が目的ならば、1時間以上の時間をとる必要はありません。
しかし、院長だけでなくスタッフ全員で考え、全員で決定して、目標と現状とのギャップをうめていくのがミーティングの目的であれば、必要な時間や内容は異なってきます。
◆ポイント3◆【毎月1回以上定期的に実施する】
計画を立て、実践し、その結果をもとに評価・検証し、再度対策を立てる――これがP→D→C→Aサイクルです。
このサイクルをどれだけ早く回すことができるかが改善のポイントです。
これを早く回すためには、ミーティングを高い頻度で開催することです。
決定したことが実践されたかどうか、取り組みの良かった点や改善点を定期的にフィードバックする機会が欠かせません。
ここでのフィードバックとは、相手の気づきを促すことで、相手の行動や考え方の方向性・方法を修正し、良い原因をつくり、良い結果に導くことを意味しています。
そして、良い原因(行動)を習慣化することで、常に良い結果につながりやすい環境を創ることが経営者の役割でもあります。
◆まとめ◆
医院改革に取り組むにあたっては、良好な院内コミュニケーションに心を配ること。
そのためにも、効果的なミーティングの時間を持つ必要があります。
「ミーティングに時間を費やさなくとも、今まで何とかなっていた」
「自分のいうとおりにスタッフが仕事をしていればうまくいくんだ」
という考え方では、今後経営は立ちいかなくなってしまいます。
ミーティングを通じて、変化に即応できる強い組織を創っていくこと。
そのために、ミーティングで意識するゴールは次の3点です。
(1)共通の目標を確認できたか
(2)現状の危機感を共有できたか
(3)メンバー全員が互いを信頼して仕事に取り組むマインドになったか
2 強い組織になるためのミーティングでの3つのゴール
◆ミーティングのゴール1◆【共通目標の共有】
数値目標だけでなく、どのような医院づくりをしていきたいのか、その結果として、どのように歯科界や地域に貢献していきたいのか、といった院長の目指す医院経営の理念やビジョンを常にスタッフに伝えることが重要です。
一度や二度の話では、伝えたことになりません。
相手が理解してはじめて伝えたことになるのです。
◆ミーティングのゴール2◆【危機感の共有】
歯科業界の現状がどうなっているのか、自院が今どのような状況にあるのかを、全員が共有することで、院長の目標や計画と現状とのギャップを認識します。
ただ変化することを避けたいのが人間ですから、現状の当たり前を打破するためにも、危機感を共有することで、スタッフのモチベーションを高めていきましょう。
◆ミーティングのゴール3◆【互いを信頼できるマインドの醸成】
「指示しても指示どおりに動いてくれない」
「教えても技術や知識が身につかない」
など、相手に求めてばかりの「依存の心」では信頼関係はできません。
大切なのは、求めることではなく、与えることです。
“大切に思うからこそ、大切に思われる”のが原理原則です。
院長、そしてスタッフ全員がそのような意識に変化したとき、受身的発想から自発的発想へ変化して、医院改革のスタートがきれるのです。
何となくミーティングを開催するのではく、これらのゴールを意識してミーティングに取り組み、医院改革を実現してください!
株式会社デンタル・マーケティング
代表取締役社長
寳谷 光教
http://www.dental-m.co.jp