2012年11月22日
前回、患者様の歯科医院に対するKBFのお話をさせていただきましたが、その中でカギとなるのは
の2つです。
「より良い医療を、良い人柄の先生から受けたい!」
――それが、患者様の多くが強く求めているものなのです。
ですから・・・
「当院には、こんな素晴らしい治療がありますよ」
「あなたが受けている医療は、こんなに良いものなんです」
「私たちは、こんな想いやこだわりを持って治療をしています」
「あなたに治療を提供しているのは、こんな人柄の人間なのです」
このようなことが理解できると、患者様の満足度は高まり、間違いなく自院のファンになってくれます。
問題は、これらを理解していただくのを、自然に任せている医院が多いということ。
より良い治療を行っていることは、治療を受けていただければわかるし、通院していただければ、院長やスタッフの人柄を理解してもらうことができる、と信じているのです。
でも、残念ながら、どんなにこだわって、高いレベルの医療技術を提供していても、患者様は理解できません。
料理なら食べれば、良し悪しがわかりますが、治療は実際に受けても、その品質がわからないからです。
先日もこんなことがありました。
私が、ある歯科医院で詰め物の治療を受けていたときのこと。
ユニットの近くに小さなブラシのようなものがあったので、
「これは何ですか?」
と質問したら、はみ出したセメントを掃除するものだと教えてくれました。
そこから、セメントの話をいろいろと聞かせてくれたのですが、その時はじめて、この歯科医院がセメントにまでこだわり、良いものを使っていることを知ったのです。
このように、普通に治療を受けているだけでは、患者様には分からないことが多いのです。
院長やスタッフの人柄は、通院を続けてもらえれば、理解していただくことはできるでしょう。
でも、それには時間がかかります。
たとえば、口下手で無愛想に見えるけど、本当は人間性がいい先生やスタッフはたくさんいます。
その人柄を理解してもらえれば、安心して通院を続けた患者様も、理解してもらう前に
「気難しそうな先生がいるから・・・」
と中断になるかもしれません。
それに、医院の医療に対するこだわりや想いを、診療室で話すことはほとんどありませんから、この部分については、基本的に伝わることはないのです。
つまり、「医療技術」や「人間性」について、自然に伝わると思っていてはダメだということです。
「うちの患者様は、治療の満足度も高いし、スタッフは人柄がいいと褒められることが多い」
といっている医院で、自費数やリコール数、それに口コミからの新患が少なくて悩んでいるところは少なくありません。
これは、勝手に医療の良さも人間性も理解してもらっていると思っているだけで、本当のところは伝わっていないのです。
このような事態にならないためには、やはりしっかりと伝えることが大事です。
歯科医院の院長先生には、控えめな方が多いのですが、プロとして、自信を持っている点を相手に伝えることは、高慢なことではありません。
そうすることで、患者様は安心をして治療を受けることができるし、自分の周りの人にも、なぜその歯科医院がいいのかを、きちんと伝えることができるようになるのですから、患者様のためになることです。
コピーライティングの世界では、顧客は
という性質を持っているといわれています。
患者様も同じです。
実際、治療の説明をしたのに、まったく理解されていなかったという経験を持つ先生もいらっしゃると思います。
ですから、患者様に「医療技術」と「人間性」の情報を伝えるには、この3つの壁を越えなければいけないのです。
逆にいうと、この3つの壁を越えることができれば、患者様に情報を伝えられるだけでなく、信用され、自費を選択したり、口コミを起こすといった行動を起こしてもらうことができます。
そのためには、次のポイントを守ること。
これができれば、患者満足度を高めつつ、医院も収益を伸ばすことができるようになります。
つまり、医療人としての良心を満たしながら、患者様に喜ばれ、しかも収益も伸びる、歯科医院として理想的な形ができるのです。
次回以降は、初診から、自費の成約、そしてリコール患者になり、口コミをしていただくまで、どのようなタイミングで、どんなふうに伝えていけばいいのかという、具体的なお話に入っていきます。
お楽しみに。
有限会社 MUSUHI
代表取締役
妹尾 榮聖
⇒ http://dental-no1.net/