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生活者心理=患者心理を理解し、増患につなげよう【1】患者様の心理を知るとは心理のツボを心得ること

2012年10月26日

(1)靴屋の売れる店員と売れない店員

時間をつぶしている途中で見つけた靴屋さん。

「そういえば、新しい靴、ほしいなぁ」と軽い気持ちで寄ってみました。

ところが、お店に入ったとたん、「どんな靴をお探しですか?」と店員が寄ってきて、お店にいる間中、後ろにずっと付いていて、商品の前に足を止めるたびに説明をします。
こんな接客に対して、嫌な思いをした経験って、誰にでもあることだと思います。

これは売れない店員の典型的な接客。売れる店員は、このような接客はしません。

お店の中をうろうろと見ている段階では、挨拶くらい(A)。

商品の前に立ち止まり、見ている段階でも、声はかけません(B)。

そして、お客様が商品を手に取ってゆっくり見た後、周りを少し見渡したタイミングで声をかけます(C)。

AやBのお客様は、商品を探している段階。
この段階では、お客様の欲求は高まっておらず、「ゆっくり見たい」という心理なんですね。
ですから、声をかけると嫌がられるし、商品説明をしても聞いてはもらえません。

でも、Cの段階になると、商品に興味を持っていて、欲求が高まっています。
お客様は、「この商品について知りたい」とか、「試着したい」という心理なので、「どんな靴をお探しですか?」と声をかけると、「○○に使う靴を探しているんです」とニーズを聞き出せるし、商品説明も受け入れてもらえるのです。

このように、同じ接客でも、お客様が求めていないときは嫌がられ、お客様が求めているときは歓迎されるもの。
ですから、その心理を考えないで、自分の都合で接客していると売れないし、その心理を汲み取って接客していると売れるのです。

(2) 患者様の心理にあったアプローチしていますか?

「そんなの当たり前のことじゃないか!」と思われたかもしれません。

でも、先日、こんなことがあったんです。

その歯科医院では、問診表の中に 「1.全部を保険で治したい」
「2.説明を聞いてから決めたい」
「3.お金がかかってもお口の中をベストな状態にしたい」 の三択の質問がありました。

私が「なぜ、こんなことを初診段階で聞くんですか?」と質問すると、
「患者様がお口にどれくらいのお金をかけるのかが理解できていると、後の話がしやすいから」と教えてくれたのです。
でも、これって……。思いっきり、医院の都合ですよね。

患者様は、お口の健康を失い、痛みや不便を感じて歯科医院に訪れます。
でも、初めて訪れた医院なので、どんな先生がいて、どんな治療をしてくれるのかもわかっていません。

「本当に、この医院でよかったのだろうか……」
「きちんと治療をしてもらえるんだろうか……」

など、その心理は不安でいっぱいです。

それなのに、「安いのがいい? それとも、説明を受けてから決める?もしくは、良いものであればいくらでもお金は出す?」

って質問されるのです。
患者様の心理を尊重するのなら、どう考えても、まずは、不安を解消するのが先ですよね。

しかも、患者様は、歯科治療の基礎どころか、保険と自費の何が違うのかすらも知りません。
先生は、まったく基礎知識を持っていない商品を購入するために、あるお店を訪れたとします。
お店に入ったとたんにアンケート用紙を渡されて、同じ質問をされたらどう思いますか?

私なら「いやいや、まず、安いものと高いものの違いや、メリット・デメリットを教えてよ」と思います。
判断材料となる知識や情報がないのに、最初に「いくら出すつもりなの?」と聞かれても、正しく答えることができないからです。

マネジメントの父と呼ばれているピーター・F・ドラッカーは、組織の価値も成果も、外部から評価されるもので、経営者は常に外部から組織を見ることが大切だといっています。

どんな業界でも、売り手はプロですから、ついつい専門家としての思考や発想をしてしまいます。
その結果、顧客の心理から離れて、独りよがりにおちいってしまいます。
そうなると発展することが難しいというのです。

このメルマガを読まれている先生は、患者様のことをしっかり考えられていると思います。
そこで、もう一歩踏み込んで、患者様の「心理」にフォーカスしていただきたいのです。
たとえば、肩こりになったとき、ツボを押さえられると気持ちいいですよね。
下手に、いろいろなところを揉みまくられるより、きちんとツボを押さえられるほうが、断然、肩こりは解消されます。
でも、ツボを押さえるには、まずはそれを知る必要があります。

患者様の心理を知るとは、このツボを知ることです。
「ファン化のツボ」や「欲しいのツボ」、それから「口コミしたくなるツボ」を知れば、患者数や自費治療数を増やせるようになります。

それに、ツボを押すのは、押し手にすれば少ない労力で、押される側にすれば、非常に心地よく、ファン化や自費の成約ができるのです。 次回から、生活者=患者様の心理を知る具体的なツボをお教えしていくことにします。

今回のシリーズを通して、心理のツボを押せる人になっていただければ幸いです。

 有限会社 MUSUHI
 代表取締役
 妹尾 榮聖
 http://dental-no1.net/