2003年09月01日
「7つの習慣」(スティブン・R・コヴィー著)では、私達の時間の過ごし方は、緊急度と重要度の2つの軸により4つの領域に分けている。
第1領域:緊急度と重要度の高い領域
例:目の前の急患・多人数の患者・小児の強制治療
第2領域:緊急度は低いが重要度の高い項目
例:健康管理、人間関係、生涯学習、泣かせない工夫
第3領域:緊急度は高いが重要度の低い項目
例:多くの会議や報告書・多くの電話・雑用
第4領域:緊急度・重要度ともに低いもの
例:待ち時間 暇つぶし 意味のない行動
あなたは、どの領域に時間を費やされていますか?
目の前の急患や診療に追われ第1領域の時間が多くなりがちですが、この領域が多くなると、自分の時間が失われストレスがたまります。
第2領域は、大切なことはわかりますが、緊急性に乏しく後回しになりがちです。時間をつくり主体的に動かなければなりません。強力な意志が必要です。
第3領域の主体は他人であり、他人の都合によって影響され、周囲にふりまわされる項目です。
実は仕事を円滑に、楽しく、満足できる診療を行う上で、最も重要なのは第2領域の診療です。
例えば、現在のペースで数十年後も診療できるでしょうか?視力が落ちれば、現在のレベルを維持できるでしょうか?
削って詰めることのみにアイデンティティーを求めていたのでは、若い先生にはかなわないでしょう。
さて、第1領域には小児の強制治療が含まれますが、嫌な思いをした小児が将来も来院してくれるでしょうか?
小児期に嫌な思いをした歯科医院には、二度と行きたいと思わないでしょう。
このことは、とても重要です。
ひょっとしたら将来の患者さんを逃がしているかもしれません。
私たちは、緊急度の高いものから行動を起こしますが、緊急性(忙しさ)を理由に重要事項を実行しない言い訳になってはなりません。
“小児だから…”ではなく、“小児だからこそ・・”考えておかなければならないことがたくさんあります。
第2領域の診療は、将来への投資です。小児に対する初めての診療が、生涯の出会いとなる可能性がありますし、この時期から継続的に診ているのであれば、患者数は減少することはないと思います。