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訪問歯科診療をうまく進める為の留意点【3】訪問歯科の広報活動で何が必要か?

2011年11月07日

前回は「訪問歯科の最大の課題は患者さんを見つけること」として、患者さんを見つけるためには、広報活動が必要なことを述べました。
今回は「訪問歯科の広報活動で何が必要か?」について触れていくことにします。
居宅の患者を紹介してもらうための広報活動での訪問先は、ケアマネージャーがいる居宅介護支援事業所ですが、そこで必要なものは何かについて順番に説明していきます。

★名刺

名刺は、ご挨拶に伺う上では必需品で、ビジネス上の礼儀です。
それだけに、「自家製名刺」で、いかにもプリンターで印刷して作りましたというものは避けてください。
名刺は初顔合わせの際の自己紹介書の役割だけではありません。
名刺は営業ツールです。
その名刺を見て仕事を依頼することにもつながります。
ですから、名前・住所・連絡先の基本情報に加え、裏表の名刺や二つ折名刺などで・当院の訪問歯科のモットー・院長からのご挨拶・ご依頼から訪問までの流れなど、問合せしやすいようにするといいでしょう。

★訪問診療申込書

これも基本セットのひとつです。
電話でのお問合せやご依頼だけでは不親切です。
FAXでそのまま返信できるような訪問診療の申込書が必要になります。
これはできれば複数枚お渡しいただければなおよいでしょう。
ケアマネージャーから、患者さんやご家族に申し込み書を渡すと、あらかじめコピーをしておかない限り、ケアマネージャーの手元に申込書がなくなるからです。

★リーフレット

リーフレットは、ケアマネージャーへのアピールの他、ケアマネージャーから患者さんやご家族に渡された際のアピールにもつながります。
したがって、患者さんやご家族が直接見る機会があるということを念頭において作成する必要があるので、できるだけわかりやすい文言を用いて作成してください。
その中身は、・院長からのご挨拶・診療モットー・当院の様子・当院の訪問歯科についての特徴・ご依頼から訪問までの流れ・よくあるご質問などをうまくまとめてもらうといいかと思います。

★ご案内BOOK

こちらは、リーフレットとは逆にケアマネージャー、もしくは居宅介護支援事業所向けに作成する訪問歯科診療のご案内です。
ケアマネージャーの事業所には、介護用品のレンタル業者やグループホーム・デイサービスなどの営業、介護給食の業者など、たくさんの営業の方がきて、そのたびに何か資料を置いていかれます。
そうした数ある資料の中でも、ちゃんと残されて、ケアマネージャーが必要だと思うときにすぐに取り出せるようにしておく工夫が必要です。
A4用紙にそのままプリントアウトをしたものを渡すだけではなく、できればクリアホルダーに綴じるなど、しっかりとした体裁をもった資料が望ましいでしょう。
リーフレットと同様の内容に加え、訪問歯科診療の必要性を介護する側に訴える内容、口腔ケアが誤嚥性肺炎の防止につながることなどを盛り込んだものがいいでしょう。
以上、広報活動をするうえで基本として揃えたい内容について触れましたが、これ以外にもいろいろと工夫できる余地はあるかと思います。
ぜひ皆さんもチャレンジしてみてください。

なお、訪問歯科を始めるにあたって、外来診療とは異なり、具体的にイメージがつかめないと思われる先生もいらっしゃるのではないでしょうか?
そうしたときに一番良いのは、実際に訪問歯科診療の現場を見学することです。
現場で歯科医師がどのように治療しているのか?
歯科衛生士がどのようにケアをしているのか?
準備や片付けも含めて一連の流れはどのようにしているのか?
見学することによって、いろいろなことが具体的にイメージできてくるはずです。
お知り合いで訪問歯科をされている先生のところで見学させてもらうか、当協会でも訪問現場見学会を定期的に実施していますので、ご希望の先生は当協会ホームページからお問い合わせください。

>>全国介護歯科協会 代表 前田 先生 http://www.kaigo-shika.com/