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院内の良い雰囲気づくりでファンがドンドン育つ【3】良い雰囲気づくりのポイントは空気づくりから

2015年07月29日

(1)患者さんに「感じ悪い!」と思われたら……

良い雰囲気をつくるポイントとして、今回は空気づくりをご紹介します。

なんといっても職場の雰囲気は、この空気感が大きく影響します。

それは、ドアを開けた瞬間感じるもので、患者さんが瞬時に、そして敏感に感じとるものです。

みなさんも経験がありませんか?

たとえば、予約をして楽しみにして行ったレストランに入ったその瞬間、空気感が悪い! コトバづかいや接客対応はこれといって悪くはないけれど、なにか心に響かない。

いや、むしろ正しいコトバづかいで折り目正しい接客だけど、逆に冷たさを感じる……。

お料理をいただく前に、入った瞬間の空気感でお店選びを失敗した!
と後悔することがありませんか。

お店に入るまでもなく、予約のお電話する時にさえ、相手の方の声にその店の微妙な空気感が漂っています。

これは歯科医院のステージでも同じなのです。

患者さんが感じられる空気感。

診療を受ける前、診療室の扉を開けた瞬間に、私たちの歯科医院を判断されます。

「選んで正解だった! すごく感じよい!」あるいは「選んで失敗! 感じ悪っ!」……と。

まだ来院されていない、未来の患者さんも、電話したその瞬間、「感じ悪い! ここはやめておこう!」と、先生の治療を受ける前に、判断されてしまいます。

来院なさる前から、私たち歯科医院の印象を決定づけてしまうとしたら、電話対応やこの空気感がどれだけ大切なのかわかりますね!

とくに電話は、声だけに集中したコミュニケーションなので、感性や感情がこの声に集中しますから、相手の様子を敏感に察知しやすいのです。

温かく優しく明るい空気を創ることで、職場の雰囲気を良くして、患者さんを、ファンを増やしましょう。

なにより、私たち自身がその空気の中でお仕事をしたいですね。

(2)言葉以外で感謝と思いやりを伝える

この空気感は、半分は積み重ねです。

私たちの思いやりの気持ち、関係性の良さが月日を重ね、自然にオーラとして漂うものです。

けれども、残り半分は今すぐに、この瞬間に、意識して創り出せるものです。

1人ひとりが努力して空気を創ることができます。

空気ですから、言葉ではありません。

言葉を使わずに、患者さんへ感謝と思いやりの気持ちを表現します。

そのためには、非言語(ノンバーバル)の表現力を鍛えることです。

言葉以外で、感謝と思いやりを表現するとしたら、どんな方法があると思いますか?

まずは表情です。

もちろん笑顔なのですが、ただの笑顔ではありません。

にこにこ笑顔でもありません。

「にっこにこにこーーーーーーーーーーっ!」の笑顔です。

歯科医院の中における表現力は、大げさに、そしてふくらませて伝えないと伝わりません。

伝えることと伝わることは違います。

とりわけ歯科医院のステージでは、ミスコミュニケーションが多いもの。

それは、相手が患者さんだからです。

患者さんの心理は、ふだんよりもずっとナーバスだからです。

怖い、緊張、不安……そのようなマイナスな感情でお見えになる患者さんが対象だからです。

このようなマイナス感情は、表現してくださる患者さんと表現してくださらない患者さんがいらっしゃいます。

表現されれば、私たちはわかりやすく対応しやすいのですが、表現されない方もとても多いのです。

とくに男性の心理として、怖いなんて恥ずかしい、人にいいたくない、という心理が働きやすいので要注意です。

ほとんどの患者さんが、歯科医院にはマイナス感度で来院されていると思って間違いないでしょう。

ですから、普通の笑顔では、患者さんには笑顔だと伝わらないのです。

笑顔は、自分が思う笑顔ではなく、相手が笑顔だと感じて、初めて笑顔です。

ここには感謝の気持ちがとても大切です。

表層的に笑顔をつくるのではなく、心からの感謝の気持ちを込めて、満面の笑みで患者さんをお迎えください。

顔の表情のみならず、体や立ち居振る舞いも非言語(ノンバーバル)の表現ができます。

忙しさのあまり動作が粗雑で乱暴になっていませんか?

電話を置くとき、静かにおいていますか?

モノの受け渡しを、両手でゆっくり丁寧にしていますか?

ドアや引き出しの開け閉めはいかがですか?

動作をしながら挨拶や返事をしたり、忙しそうな様子や動作が全面に出ていませんか?

患者さんにとっては、足音やキャビネットの開け閉め時、器具を置くときの「音」がとても怖かったりするものです。

(3)大げさにふくらませた空気感を演出しよう

歯科のステージは、忙しくあわただしいのが常ですが、患者さんはどうですか?

待合室に座って待っておられる患者さん、ユニットに寝かされた患者さん。

実は患者さんは暇です。

かなり暇です。

そのため、患者さんはよく見ています。

敏感に歯科医院の空気を感じとっています。

だからこそ、通常よりもよい空気感を、大げさにふくらませて表現していくことが大切なのです。

このふくらませて伝える表現力は、なにより私たち自身を幸せにするものです。

体の状態は心の状態を引率してくれるからです。

笑顔で姿勢よく、優しく丁寧な体の使い方をすることで、自分自身の心を優しくいたわることになります。

どうしても、心がついていかない時もあります。

そんな時は、あなたの心のコップがカサカサ気味に渇いている時です。

今のあなたの心の状態はどうですか?

自分自身の心のコンディションを知ることも大切です。

心が悲鳴を上げているのに、それを無視してフタをし続けていると、あるとき破裂してしまいます。

心のコップがもし空になりかけていたら、ぜひ優しさを注いでください。

自己を肯定したり、承認したりしてください。

時には、他者からの承認もほしいものです。

次回は、この自己承認と他者承認についてお伝えします。

職場の雰囲気づくり、魅力的なあなたになるための大きなヒントになりますので、お楽しみになさってください。

(株)オフィスウエーブ代表取締役
日本歯科プロアシスタントスクール(PAS)校長
澤泉仲美子
http://www.office-wave.jp/