2014年05月30日
誰しも、開業間もないころ、スタディクラブで仲間と研鑽に励んでいたころ、歯科医療に情熱があったころは、
一生懸命、歯科医療の知識・技術を磨き続け、その成長に喜びを感じていたはずです。
それが、ある年齢を境に「学ぶこと」をやめてしまう人がいます。
そこまでいかなくとも、昔に比べて勉強にあてる時間やお金が減ったという、院長は案外と多いのではないでしょうか。
学ぶのをやめるということは、自分が成長するチャンスを手放すということです。
私はいつも「人と違った自分でありたい」と願っています。
人と違う自分でいられることが嬉しくて仕方ないのです。
この先も私は学びをやめることはないでしょう。
50歳になったいまも、学びを続けています。
なぜ、それほどまでに学び続けるのか?
一番の理由は、成長し続けたいからです。
人間の成長に限界はありません。
女流棋士の里見香奈さんをご存知でしょうか。
里見さんは12歳でプロになり、20歳のときに史上最年少で女流四冠を獲得、そしてついに史上初の女流五冠を達成しました。
彼女は将棋に対する想いを、次のように明快に語っていました。
「ただただ、強くなりたかった」
院長も同じです。
もっともっと成長したいし、もっともっとよくなりたいと願うから、自分を磨き続けるのです。
自分を成長させることがチャンスを呼び込み、そのチャンスが成功や収入へとつながり、経済的にも人間的にも豊かになっていきます。
自分を高めることによって、自分が思い描いた人生を、より豊かに、より楽しく生きられるようになります。
スタッフや患者さんをはじめ、周囲の人の尊敬や信頼を得、たくさんの人から応援してもらえる人になります。
尊敬される院長は、学ぶ喜びや、自分を成長させる喜びを知っています。
自分の可能性を追求することの楽しさを知っています。
楽しみながらの学びは、私たちの潜在意識によい影響を与えます。
夢や願望を実現させるための力になってくれるのです。
何を学んでいくかも重要です。
私は歯科医師としての勉強以外に、経営学・心理学・マネジメント・自己啓発など、さまざまな分野に興味を持ち、学んできました。
こうした専門以外の勉強が、本職である歯科医師の仕事にたいへん役に立っています。
たとえば、インプラントの手術中に、患者さんが大量出血をしたとします。
同じ歯科医師であれば「圧迫止血をすればよい」ことは誰でも知っています。
ところが、そのようなときの心の持ち方や仕事の流れの変え方までは、誰も教えてはくれません。
医学とは別の分野を、自分で学ぶ必要があるのです。
専門分野を勉強しただけでは、本物の仕事はできません。
ところが、ただ流すだけの仕事をしている院長は、ある程度の年月が過ぎると「この分野のことは極めた」と思い込み、学ぶのをやめてしまいます。
すると、そこでその人の成長はストップします。
自らの意志で成長をやめてしまった人、向上心をなくしてしまった人に、私たちは魅力を感じません。
ですから、応援したいとは思いません。
つねに成長し続けること、そのために自分を磨き続けること。
尊敬され、成長し続ける院長は、その大切さを知っています。
医療法人社団いのうえ歯科医院理事長
歯学博士・経営学博士
井上 裕之
⇒ http://www.inoue-dental.jp/