2011年06月20日
患者さんの信頼を得るカウンセリングのあり方について、前回まで「初診カウンセリング」「セカンドカウンセリング」「補綴カウンセリング」について解説してきました。
最終ステップのカウンセリングは「終了カウンセリング」です。
1:終了カウンセリングはリコール率80%を目安に
終了カウンセリングは、今まで行ってきたカウンセリングの総括として実施します。
終了カウンセリングは、今までのカウンセリングで培ってきた来院者との信頼関係をさらに深めると同時に、現状の個々の患者さんのリスク、ライフスタイル、予防への意識などの生活習慣をもとに、口腔のみでなく、トータルでの健康をサポートしていくために実施します。
終了カウンセリングの時間は10分程度で、リコールの意義とその結果どのようなことが表れてくるのかなどの内容説明を行い、リコールへ誘導していきます。
目安として80%程度のリコール率が達成されれば、終了カウンセリングの目的を果たしたといえます。
2:終了カウンセリングを効果的に行うには
リコールに関して、多くの歯科医院で話を聞くと「1回目、2回目までは反応があるのだけれど、その後に継続しないケースが多い」という院長や歯科衛生士の方々の悩みを耳にします。
その場合、確認していく必要があるのが、下記の3点です。
1)初診カウンセリングをはじめ、適宜カウンセリングの時間をとることで、信頼関係を醸成できているのか?(頻度よくカウンセリングの時間をとれているか?)
2)リコールの重要性をしっかり説明ができており、来院者自身がそれを理解・納得するまで話をすることで、モチベーションを高めることができているか?(医院側の都合だけの説明で終わっていないか?)
3)リコール時に効果的な施術ができており、来院者にとって充実した時間となっているのか?(口腔を改善するとともに、会話や環境が心地よく、素敵な時間を演出できているか?)
上記の3点に関して、ご自身でカウンセリングの取り組みを評価してみて、弱い部分があるのであれば改善し、常に良い方向に変化させることが重要です。
3:終了カウンセリングの結果として得られるもの
終了カウンセリングを効果的に行うことによって、継続的に来院する患者さんが増えてきますので、ダイレクトに増患につながります。
また、信頼関係が構築できている来院者と定期的に会う機会を持つわけですから、さらに強い関係が構築でき、自費率アップという効果もあります。
しかし、もたらされるもっとも大きな効果は、責任と権限を持った歯科衛生士やカウンセリング専門のコーディネーターがイキイキと働く歯科医院づくりを推進することで、地域社会との輪ができることです。
地域社会と歯科医院との架け橋となる歯科衛生士やコーディネーターを育成し、院長ご自身が目指す歯科医院づくりを推進するためにも、これを機会にカウンセリングシステムを見直していただきたいものです。
~ 患者様と院長との架け橋となるコーディネーター 医院の発展はこのコーディネーター育成が鍵となります ~
※詳細はこちら → http://www.dentalseminar.jp/1823