2011年05月16日
前回は初診カウンセリングのポイントをお話ししましたが、今回はセカンドカウンセリングをテーマに、ポイントと留意点について説明していきます。
純新患が来院した際に実施する初診カウンセリングは、自院の差別的優位性や、今後長いお付き合いをしてく中で、来院者側に守ってほしいことを情報提供するとともに、今後の治療を最適にすすめるために必要となる来院者情報を収集するカウンセリングです。
この初診カウンセリングの次のステップで行うカウンセリングが、セカンドカウンセリングとなります。
セカンドカウンセリングは、主訴の改善後(2回目または、3回目の来院時)に、口腔内検査の結果を、コーディネーターがカウンセリングルームで来院者と対面しながら、15分程度の時間で現状の口腔内の状況を共有するために行うカウンセリングのことです。
初診カウンセリングからはじまるカウンセリングの各ステップ(セカンドカウンセリング、補綴カウンセリング、終了カウンセリング)の中で、もっともないがしろになりがちなのが、このセカンドカウンセリングですので、他院との差別化をはかるためにも、より重視しなければなりません。
歯科医院を訪問して、セカンドカウンセリングの実施状況に関して質問すると、「セカンドカウンセリングの取り組みはできています」と答える歯科医院でも、来院者の話を聞くと「私の治療はいつまで続くのかわかりません」という声を耳にすることがあります。
来院者自身の口腔の、どこに、どのような虫歯が、何本あるのか、自身の歯周病がどのようにすすんでいるのかという、基本的な情報さえ共有できないままに治療がすすんでいる歯科医院が多いのが実状です。
歯科医院側は伝えているつもりでも、来院者側と共有する段階に至っていないことがよくあります。
このように、患者さんが現状を把握できないままに治療に入ってしまうために、結果として「いつまで通院しなければならないのかわからないので、そろそろ歯科医院に行くのをやめたい」という気持ちになりがちです。
さらには「私は大切に思ってもらっていないのではないか」という考えに陥り、中断患者やキャンセル患者が増加してしまう結果になるのです。
来院者の口腔内の現状について、相互理解のないまま、顕在化している痛みや脱離などの緊急事項に対応しているのみで、その原因に言及していかなければ、真の解決になりません。
表面的解決を優先してしまう結果、来院者の口腔への意識が高まらないというケースがよくあるのです。
「来院者の健康や幸せを阻害する原因は何なのか」に焦点を当てるからこそ、来院者の「健康」や「幸せ」へのサポートが可能となります。
現状を十分に共有した上で、来院者が「どのようなことに問題を感じているのか」「現状を今後どのように改善していきたいと考えているのか」ということを、歯科医院側も理解する必要があります。
来院者が本当に求めているのは、歯科医院側の説明ではなく、相談にのってくれる信頼できる友人です。
歯科医師やスタッフに相談したいと思っています。
2回目または、3回目の来院時に15分の時間を活用するだけで、結果的に中断を最少化するとともに、キャンセルの削減につながり、歯科医院の増患・発展につながっていくのです。