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患者さんを増やす(増患対策)アイデア【5】補綴カウンセリングで治療同意率を高める

2011年06月06日

歯科医院におけるカウンセリングこそ、患者さんとの信頼関係を築く絶好の場です。

その巧拙が、患者さんを引きつけていくか、見放されてしまうかの分かれ目になります。

 

1:補綴カウンセリングとは

純新患が来院した際に、情報収集と情報提供を目的に実施する初診カウンセリングでは、自院の差別的優位性や今後長いお付き合いをしていく中で、来院者側に守ってほしいことを情報提供するとともに、今後の治療を最適にすすめるために必要となる来院者情報を収集します。

セカンドカウンセリングでは、主訴の改善後(2回目または、3回目の来院時)に、口腔内検査の結果を鑑みて、現状の口腔内の状況を共有化するとともに、来院者が理想とする口腔のイメージを共有していきます。

次のステップで行う補綴カウンセリングは、初診カウンセリング、セカンドカウンセリングなどで培ってきた来院者との信頼関係をもとに、来院者の理想の口腔状態に近づけるためにはどのような選択肢があり、個々の来院者のライフスタイルや金銭的余裕度を考慮した時に、どのような選択をすることが、その来院者にとってもっとも良いのかをプロとして提案し、今後を共に考える時間のことです。

いわば、詰めのカウンセリングです。

 

2:補綴カウンセリングの実施に際して留意すること

歯科医院で業績向上を考える際に重要となるのは「新患を増やすこと」、来院者の満足度や治療提案の精度を向上することによって「治療同意率を向上させること」、そして、そうした取り組みの結果として「紹介での来院を増やす」という3つの観点です。

補綴カウンセリングは、この重要課題の中で治療同意率を高め、結果的に満足度を向上させることで、紹介につなげることを目的として実施します。

その際、下記の点に留意して取り組むことが重要になってきます。

(1) 補綴カウンセリング前に信頼関係を構築する

補綴カウンセリング以前の来院機会において、来院者との信頼関係をどれだけ構築できるかが、治療同意率の向上には欠かせません。

初診カウンセリング、セカンドカウンセリングのみでなく、チェアでの待ち時間の際に来院者とのちょっとしたスモールトークに努めることが、治療同意率の向上につながるのです。

(2) スタッフの自費治療への抵抗感を払拭する

歯科医院を訪問した際に、スタッフが「高い治療をすすめるのは罪悪である」「自費治療は院長の金儲け主義」といった間違ったとらえ方をしていることがあります。

これは、スタッフの知識不足によって起こることが多いようです。

そのため、補綴物の素材の違いだけでなく、長期的観点からの人体への影響などを考えて、最適な選択肢の提案をすることが重要であることを、ミーティングで何度も確認する必要があります。

補綴カウンセリングは、自費治療をすすめるためのものではなく、来院者1人ひとりに最適な選択肢を提示することで、個々の来院者に幸せな人生を送ってもらうという観点で対応することを忘れないようにしてください。

自費率アップや業績向上は、来院者満足が積み重なった結果として得られるものであり、それが経営の最終的な目的になるものではありません。

補綴カウンセリングにおいて大切なことは、来院者のために何ができるのかという観点で対応していく姿勢であるといえます。