2011年04月18日
1:カウンセリングシステムにはこんなに多くの効果がある
近年、来院者1人ひとりのニーズが多様化する中で、そのニーズに合致するために欠かせない取り組みの1つとして、カウンセリングシステムの導入が脚光を浴びています。
このカウンセリングは、ドクターが治療に専念できるように、コミュニケーションの専門家であるコーディネーターが、これまでドクターが請け負ってきた来院者とのコミュニケーションを代替し、ドクターが来院者に伝えたいことを来院者にわかりやすい言葉で伝えるとともに、来院者がドクターに伝えたいことを、コーディネーターが来院者の代わりにドクターに伝えることで、最適な治療提案へつなげていくシステムのことです。
カウンセリングを導入することによる効果として、「クレームの減少」「キャンセル率の低下」「中断率の低下」「リコール率の向上」があげられますが、その効果は確実に増患につながっていきます。
これらは、カウンセリングというコミュニケーションを通して、来院者との信頼関係を構築していくことによって得られる効果です。
コンサルティング先の歯科医院でも、カウンセリングシステムを院内に取り入れることで、増患につなげています。
カウンセリングを通じた情報提供によって生まれるのが、「自費率の向上」で、これには単価の向上という効果も生じます。
さらに、「チェア回転率の向上」も、カウンセリングの効果のひとつです。
チェア回転率の向上は、これまでチェアサイドでドクターが行っていた情報提供を、スタッフがカウンセリングルームで実施することによって生まれる効果です。
その他、「自院のブランド化」という効果もあります。これは、コミュニケーションを通して、ドクターの強み、医院全体の理念、診療方針を伝えることにより生まれる効果です。
このような取り組みの結果として、自ずと「スタッフのモチベーションアップ」が図れるようになります。これは、コーディネーターという責任ある役職につくことで生まれるスタッフのモチベーションアップを意味します。
2:カウンセリングシステム導入のための3つのポイント
以上のように、カウンセリングの導入の効果は非常に大きくかつ幅広いのです。
次に、カウンセリングを実際に導入する際のポイントをあげていくことにしましょう。
第1のポイントは「カウンセリングの意義を正しく理解する」ことです。
カウンセリングの目的を「自費率向上」に限定して考えがちですが、本来の意義は、来院者のニーズや医院側が伝えたいメッセージを顕在化させていくことにあるからです。
第2のポイントは「クォリティーの均一化を図る」ことです。
どのスタッフでも、同じ手順で、同じツールを使い、同じ説明ができるように、システムを整備しておく必要があります。
システムの整備に必要不可欠なのは、カウンセリングを含む診療の流れやその中で用いるツールなどを、誰でも容易に理解できるように”見える化”しておくことです。
第3のポイントは「自費診療に対する正しい認識を持つ」ことです。
カウンセリングの大きな目的の一つに、インフォームド・コンセントの実施ということがあげられます。
来院者が、治療方法を十分に理解し、来院者自身が納得できる治療方法を、選択肢として提案できる状況をつくりだすことがその役割なのです。
そこで、次回から歯科医院でカウンセリングを実施する際の留意点を4回コースで説明していくようにします。