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吉野流・自費率を高める6つの法則【6】なぜ日本人は歯にお金をかけないのか――その理由と対策

2015年03月10日

(1) “買うこと”と“素敵で幸せな未来”をリンクさせなければ売れない

普段、私は日本中のあらゆる業種の企業で、業績アップのための営業研修をしています。

企業からの相談事は、ほぼすべてが「どうして売れないんでしょうか?」「どうしたら売れるようになりますか?」です。

先日、着物店の営業研修をしました。
着物店は「振り袖の展示会にきてもらえない」「振り袖が売れなくなっている」と、悩んでいました。

振り袖の販売価格は、30年前は平均で約60万円くらいだったのが、最近では、約30万円に下がってきているにもかかわらず、買う人が減っている、と嘆きの声が聞かれました。

私は「なぜ、日本人は振り袖を買わなくなったのでしょうか?」と質問しました。

着物店は「わからない」「高いから」「着物に興味がないから」などといっていました。
さらに「じゃぁ、なぜ着物に興味がないのでしょうか? 振り袖を高いと感じるのでしょうか?」と尋ねると、またしても「わかりません」との答えでした。

先生方は、どう思われますか?

着物という他業種の話を用いて、私は歯科治療の話をしているつもりです。

「着物」を「歯科治療」にあてはめて考えてみてください。

人びとが着物に対して、「興味がない」「高いと感じる」のは、なぜなのか?

私は明確な答えを見つけました。そして、研修でこのように話しました。

「“振り袖を買うこと”と“娘が、女として幸せな勝ち組人生を歩む素敵な未来”がリンクしていないからです!」と。

着物店の皆さんさんは一瞬口をあんぐりさせて、驚いた顔をして聞いていました。

「“買うこと”と“素敵で幸せな未来”をリンクさせる」ということが、興味をもっていただく、お金を出す価値があると感じて買っていただくことへの第一歩なのです。

私は「これが、いわゆるセールストークの役目です!」といいました。

実際に、振り袖を買い、友達の結婚式に着て行き、着物を着ているだけで、「なんて上品な人だ!」「清楚できれいな女性!」と見初められ、素敵な出会いにつながり、良縁を射止めた女性を私は何人も知っています。

ですから、着物店の皆さんには「一枚の着物は、女性の人生を根本から変えるだけの力があります! それをお客様に伝えましょう!」と教えました。
着物の説明をし、「◯◯先生のデザインです」「素材は??なので、一生ものです!」などといっても見向きもしなかったお客さんが、「振り袖には、娘の人生を根本から変えるだけの力がある」ということに気づいたとき、振り袖に飛びつき、高額なものを買うようになっていったのです。

セールストークの役目は「お金を出してその商品を買うこと」と「素敵で幸せな未来」をリンクさせることだったんですね!

(2) 上質な治療をした患者さんの生活シーンがどう変わったのかを発信する

ここまで読まれてどうお感じになりましたか?

「着物よりも、歯科治療は価値があるんですよ!」

「歯をちゃんと治すことは、全身の健康や寿命と大きなつながりがありますよ!」

「着物なんかよりも、歯科治療のほうが人生を根本から変える力がありますよ!」

と思った先生も、多くいらっしゃるのではないでしょうか。
でも、それを今まで、どれだけ患者さんに発信してきたのでしょうか?

「なぜ日本人は歯にお金をかけないのか?」
――その答えは「歯科界が、上質な歯科治療と素敵で幸せな未来を、リンクさせることを、過去に怠ってきたから」です。
もちろん、一部の先生や歯科医院はやってきたでしょう。

私は、歯科界でお金を集めてCMをしようといっているのではありません。
歯科医院、歯科医師、スタッフそれぞれが、1人ひとりの患者さんに伝える努力をしてほしいのです。

これができたときに、より上質な治療として、自費診療を選んでいただくことができます。
そのためにも、治療の向こう側にある「素敵で幸せな未来」を、生活シーンに落としこんで、患者さんにお伝えしていく必要があります。

そのためには、上質な治療をした患者さんの生活シーンがどう変わったのか、ヒアリングしてみるとよいでしょう。

「入れ歯をインプラントにしてからは、家族と一緒に外食もできるようになった。お寿司やお肉も美味しくいただけるからうれしい」

「くちびるの縦じわが薄くなり、頬もしゃきっとして、見た目が若返りました! どんなエステよりもインプラントは美肌に効果的!」

「疲れにくくなりました。おかげで孫と一緒に遊べるようになりました」

「インプラントにしてから、便秘がよくなりました。繊維質のものも食べられるようになったからです」

「地元のコーラス部に入っているんだけど、大きな口をあけて気持ちよく歌えるようになりました」

「口臭が気にならなくなり、孫が膝に乗ってくるようになりました」

「柔らかいものを選んで食べる食生活から解放され、歯ごたえのある野菜もお肉もお刺身も食べられるようになり、一番変わったのは健康診断での数値です! 年々、歳はとるのに数値は改善しています」

「歯を治してから、力が出せるようになり、好きなゴルフを楽しめるようになりました」

など、素敵や幸せは人さまざまでしょう。
こういった具体的で地に足がついた「素敵で幸せな未来」を、患者さんに発信し啓蒙していくのです。

「そんなこと、いちいちいっていられない。そんな時間はない」とおっしゃるのであれば「院内ポスター」として掲示したり、「患者さんのお声」として、ホームページに載せたり、患者さんへの「携帯メルマガ」の内容として、「こんな治療をした人が、こんなふうに喜んでらっしゃいますよ」というのを、コツコツ配信していくことです。

どの業界も、こちら側から発信し、啓蒙し、見込みを育てる、欲しがらせる、すなわち「お金を出して買う」ことと「素敵で幸せな未来」をリンクさせる努力なしに、スムーズに売れるということはありえないのです。

今までやったことのない努力かもしれませんが、「今の行動」を変えることで「未来の業績」を変えることができます。
思考の変化、行動の変革は、エネルギーを必要としますが、業績アップに意欲のある先生は、ぜひ、新たなチャレンジとして取り組んでいただきたいと思います。

この連載をご活用いただき、今後のますますのご発展につなげていただければ、この上ない幸せです。
ありがとうございました。

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(社)国際医療経営学会 代表理事
吉野真由美
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