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吉野流・自費率を高める6つの法則【3】もっと欲しがらせ、デンタルIQを上げてから提案する

2015年01月30日

(1) 提案活動は恋愛と同じ

ひとつ質問させてください。
あなたは今日出会った女性に、いきなり「付き合ってください!」といったことはありますか?

「そんなこと、するわけないでしょ!」
「やってもうまくいかないはず!」
という答えが返ってきそうですね。
そのとおりです。
出会ったばかりで、こちらに対してまだあまり惹かれていない相手に突然オファーしても、断られる、という結果は目に見えています。

ですから、こんなやり方はNGです。
しかし、患者さんへのご提案という意味では、これに近いことをやっている先生があまりにも多いと私は感じるのです。

「営業や提案活動は、恋愛に酷似している!」というのが私の持論です。

困ったときは恋愛にあてはめて考えてみる、すると答えはおのずと出てきます。

今日出会った女性が、自分の好みで、お嫁さん候補だった場合、どのような行動に出るでしょうか。
少しずつ段階をおって、振り向かせる、自分に惹かれるようにもっていくのではないでしょうか。

たとえば――

「お茶とケーキで楽しい会話をする」
→「映画を見て、コミュニケーションする」
→「晩ご飯を食べ、くつろいだ会話に酔う」
→「サプライズで小さなプレゼントをし、喜ばせる」
→「ちょっとずつ、ちょっとずつ、自分のことを好きになるようにもっていく」

そして、相手が自分に対して十分に魅力を感じ、惹かれているという手応えを得て、「触れれば落ちる」というくらいまで気持ちが育ったのを実感してから、「付き合ってください!」というのではないでしょうか。

患者さんに提案するのも同じです。
いきなり「インプラントにしませんか?」とか「オールセラミックできれいな白い歯にしませんか?」というのは、突然「付き合ってください」というのと同じくらい、患者さんにとっては唐突で、受け入れがたいものなのです。

そうではなく、徐々に魅力を感じていただき、十分に欲しがらせてから、提案するべきです。
営業の言葉では、これを「見込みを育てる」といいます。
わかりやすくいえば「もっと欲しがらせる」というプロセスを経てから提案する、という意味です。

歯科の言葉では「デンタルIQ」を上げておいてから提案する、ということになります。

(2) 前倒しの情報提供によってデンタルIQを上げる

今回は、この「もっと欲しがらせる」「デンタルIQを上げる」方法についてお伝えしていきます。
それは「前倒しの情報提供によってもっと欲しがらせる」のです。

情報提供のしかたは2つあります。

1.人が「話して情報提供」し、患者さんに聞いていただく。
2.伝えたいことを「書いて情報提供」し、患者さんに読んでいただく。

1.には大きな欠点があります。
人が話して伝えるのは、強くてインパクトのある情報提供ですが、時間が吸い上がります。
時間がかかる、ことは避けるべきです。

ですから、情報提供では2.を実践されることをおすすめいたします。

伝えたいことを「書いて情報提供」し、患者さんに読んでいただく手段として、具体的には大きくわけて3つあります。
効果の順番として、

3位:院内ポスター
2位:院内資料
1位:患者さんの携帯に週1でメルマガを送ることです。

(3) 患者さんの携帯に週1のメルマガで情報提供を

「上質な治療の良さ」や「上質な治療を受けて喜んでいる患者さんのお声」「疑問・不安・迷いを取り除くことができる内容」など、情報提供できる内容を書き、患者さんの目に触れるようにするのです。
自費率を上げた歯科医院は、必ずこれらを実践されています。

先日、私がピロリ菌検査で胃腸科クリニックに行ったとき、院内には胃腸に関する情報提供がびっしりポスターとして掲載され、また、資料として手が届くところに置いてありました。
待ち時間の間に、私はそれらをひととおり読みました。
他の患者さんもヒマらしく、読んでいらっしゃいましたよ。

院内ポスターや資料が置いてある医院に対する印象は、どうだったかというと、「医学の情報をマメマメしく提供してくれる熱心な医院だな」というもので、好感が持てました。
けっして「商売くさい」とは感じませんでした。
雑誌や漫画はどこでも読めますが、医院で、他では得ることができない情報を収集できるというのは、患者さんにとって嬉しいことなのです。

なお、患者さんへの「前倒しの情報提供」の方法として、1位に携帯メルマガを上げたのには理由があります。

今、この日本ですべての患者さんが365日、24時間、肌身離さず持っているものって何でしょうか。
間違いなく携帯電話やスマホなどです。

そこに毎週1回、決まった時間に歯科医院から、他では得られない健康に役立つ情報提供を行うと、どうなるでしょうか。
歯科医院と患者さんの距離がうんと縮まるのです。
歯科をもっと身近な存在に感じていただけるようになります。

すでに大手デパートや治療院・美容院は、携帯メルマガを活用し始めています。
ホームページを頑張る歯科医院はとても多いのですが、もっと患者さんに影響を与えることができる携帯メルマガをなぜやっていないのか理由がわかりません。

携帯メルマガこそ、ホームページよりももっと影響力があり、患者さんの心を動かすツールです。

では、携帯メルマガで患者さんに送るコンテンツは、どのようなものがよいでしょうか。

上質な治療を「欲しがらせる」「魅力を感じていただく」「疑問・不安を取り除き安心していただく」「ほおっておいてはいけないことに気づいていただく」「後で治そうと思うと、もっと大きな時間とお金がかかることを知っていただく」「貴院の良さを伝え優位性をアピールする」
――このような目的意識をもって書いていただければと思います。

また、メールが届くたびに、歯科医院のことを思い出してくれて「またいかなきゃ!」と来院を促す手段となり、ドロップアウトも防げます。

このような「前倒しの情報提供」を静かに確実に行い、患者さんの見込みを育て、もっと欲しがらせ、「触れれば落ちる」というところまでデンタルIQをアップした上で、先生やスタッフが「提案」してください。

患者さんは情報を得て、理解が高まっていますので、カウンセリングの時間も短縮でき、その上、成約率が大幅にアップします。

文面だけでは理解しづらいという方のために、このテーマの動画講座を無料でお届けします。スタッフさんとの勉強会などにご活用ください。
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(社)国際医療経営学会 代表理事
吉野真由美
⇒ http://yoshinomayumi.com