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楽しき哉!ことばの道草 ~第4話 希望は爽風とともに~

2003年02月17日

“きのうの自分にきょうは勝て”<福士加代子>

女子陸上界で3千・5千メートルの日本記録をもつ若きアスリート。青竹を割ったような淡々とした肉声。凜としたまなざし。恐れを知らない脚力・・。
青春の爽やかさだけが、目の前を走り抜けていった。

“あなたが死なないで生きられる見込みは、千に一つの割合だ。きみよ、生きよ。生きたほうがよい。命があってこそ諸々の善行をなすこともできるのだ・・・。独りで行くほうがよい。孤独で歩め。悪いことをするな。求めるところは少なくあれ。林の中にいる象のように”<ブッダ>

悟りを開く。そんな境地があることは想像の埒外、凡庸の身にはとてもとても・・・、とひとり嘆いているうちに、ブッダは浮世の処世をさらりと指し示してくれる。

諸悪莫作(まくさ)、衆善奉行 悪をなすべからず、善をなすべし、と。

“援護があってもなくても抑えるんです”<野茂英雄>

アメリカ・メジャーリーグのエース、野茂英雄のコメントはいつ聞いても心強い。シーズンを重ねるごとに、チームメイトの信頼は強くなる。奪三振にかける意気込み、先発必勝への気合に衰えは見えない。トルネードよ永遠なれ!だ。

“自分の人生が地図のように見えてきた”<小澤征爾>

わずか29歳でベルリンフィルの常任指揮者の栄誉を一身に受けた小澤征爾。
頂点に立ったその瞬間、彼の瞳は何を夢見ていたのか。今もなお極めることに心血を注ぎ、チャレンジを惜しまない不出世のマエストロ、オザワに拍手!

“1日1個のトマトは医者を遠ざける”<ヨーロッパの古諺>

トマトに含まれるリコピンとかいう栄養素がカラダにいいらしい。カラダにいいものを毎日食べれば、医者いらず、これは道理だ。“上医治未病”(名医は将来の病気を治す)という格言もあるが。

“よき友、三つあり。一つは、物くるゝ友。二つには医師(くすし)。
三つには、智恵ある友”< 吉田兼好>

「徒然草」を書いた兼好法師にすれば、現代の医療不信など知る由もないのだが・・・。いずれにしても、よき友は生涯のかけがえのない財産なり。
ただただ感謝、感謝!

“われわれは短い人生を受けているのではなく、われわれがそれを短くしているのである”<セネカ>

“時のすぎるのが早いか遅いか、それに気づくこともないような時期に、人はとりわけて幸福なのである”<ツルゲーネフ>

希望はいつも爽やかな風とともにやって来るようだ。希望という名のアナタを尋ねて。

次回も、のたりのたりと道草を続けるつもりでいる。

“負いかた一つで重荷も軽い”<フィールディング>

“分けいっても分けいっても青い山”<山頭火>