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死なないぞ ダイエット その2

2007年10月01日

前回は、突然死を動機付けにして、ダイエットを行う目標について述べた。お忘れの方は、まず(図1)をご覧ください。(図1)
 
 
図1
死なないぞ ダイエット
 
 

さて、この本は、NHKの人気番組“ためしてガッテン!”の内容が元になっている。放送直後から電話が鳴りっぱなしで成功者が続出した。この方法の名前は“計るだけダイエット”。番組を制作された北折さんの考案した方法だ。通常、ダイエットの本には必ず“カロリー計算や制限”の文字が出てくる。これがまったくない。これが読者を引きつける。

今回は、内容をかいつまんで紹介する。

食事制限による急激なダイエットは、3日位で3kg位は減るので成功したかに見えるが、そもそも続くはずがないと言う。何故なら、人間の体にはホメオスターシス(恒常性)がある。何年間も同じ体型で過ごしてきたら、体がそれを基本体重としてセットしているはずだ。急激なダイエット後のでは、体が元に戻ろうとする。だから食べ過ぎてしまうのだ。

また、確実にダイエットに効く薬などありえない。そんなに効く新薬があれば数兆円産業だ。大手の製薬会社が、何億というお金をとっくに投資しているはずである。

一方、運動ダイエットは良い方法だ。運動後のさわやかな充実感がある。しかし、運動で消費できるエネルギーは、苦しさに比べてあまりにも少ない。茶碗一杯のご飯でウォーキングなら1時間、チョコレート1枚で筋トレを2時間以上しなければ、お腹の脂肪は1gも減らない。“がんばった自分”に対して得られるのが“少しも変わらない体型”だった時、モチベーションを維持するのは難しい。これまで幾度となく、ダイエットに失敗し挫折感を味わったのは、意志が弱かったのではなく、方法が悪かったことがわかる。

このことを北折さんは、どのように克服したのだろう。

それは発想の転換である。ダイエットは、“つらいもの”・“苦しいもの”とするから挫折が待っている。それを“楽しいもの”や“喜び”に換えるために、“脳をだます”ことが必要だそうだ。ことについては、筆者も実践している。
大学まで45分間歩いて通勤している。夏の炎天下に"歩かなければならない”と思えば、嫌になる。気持ちをネガティブにすれば、エネルギーが吸われてしまう。そこで、“朝から散歩”していると考える。そうすれば、朝から散歩するなんて、なんてゴージャスな良い身分なのだ・・・。とプラスのエネルギーが湧いてくる。

ここでダイエットにおける“脳のだまし方”について紹介する。まず用意するもの。50gか100g単位計れるデジタル体重計。これが200g単位やアナログ(針)の体重計では失敗しやすい。50gか100gがミソなのだ。
次に以下のところから、記録用紙をダウンロードする。
http://www.nhk.or.jp/gatten/qa/archive/diet.html
これだけで準備終了。

さて、1日でもっとも体重が軽いのは何時だろうか?そう!朝起きてトイレに行った後それではもっとも重いのは?風呂上りに一杯飲んで、晩御飯を食べた後。1日この2回の体重をグラフに書き込む。そして朝を基本体重とする。この体重が、昨日より50g減ったらあなたの勝ち。1日たった50gだ。これなら簡単。勝ったら“バンザーイ!”をしてみよう。これが小さな成功なのだ。
この“成功体験”を、ささやかな“喜び”に置き換える。これが“脳をだます”ということなのである。

目標は、1週間で3kgも減らすことではない。そんな無理をしても続くわけがない。50gと言えば、コップの水半分。タマゴ1個分である。これだけ減れば、あなたの勝ちなのである。
1日50gであっても、1か月にすれば1.5kg、2ヶ月で3kgの計算となる。でも時々、「歯科医師会で飲み会が・・・、1回行けばリバウンド・・」と思われるかもしれない。それが普通の人間なのだ。でも大丈夫、このシートには、言い訳欄が付いているのである。ここに堂々と言い訳を書けばOKだ。

体重を計ることを、そもそも“お遊び”だと考える。体重管理を“お遊び”にしてしまうのだ。毎日つけていると、いろいろな発見がある。トイレに行けば、何g体重が減り、夜から朝にかけては、これだけ減る。基礎代謝のためである。
あるいは、夕食を早く済ませると朝は軽い、夕食を食べ過ぎれば、朝が重い・・・などさまざまな発見がある。

何事においても必要なモチベーションは“小さな成功”・“小さな喜び”によって作られる。是非、試みられてはいかがだろうか。
 
 
□■ 岡崎先生のホームペ-ジ http://leo.or.jp/Dr.okazaki/